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2011 Fiscal Year Annual Research Report

ストライガ低感受性ソルガムの抵抗性・耐性機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23405023
Section海外学術
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

杉本 幸裕  神戸大学, 農学研究科, 教授 (10243411)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 知恵  鳥取大学, 乾燥地研究センター, プロジェクト研究員 (30403380)
Keywords根寄生植物 / ストライガ / 宿主作物 / ソルガム / イネ / 感受性 / 抵抗性 / 耐性
Research Abstract

イネ科作物を宿主とする根寄生植物ストライガは、アフリカにおける農業生産を阻害する最大の生物的要因となっている。本研究では、宿主植物のストライガ低感受性を、抵抗性と耐性に識別して解析する。平成23年度は、日本ではライゾトロン法により、スーダンではポット栽培試験を行い、ストライガに対するソルガムとイネの感受性を評価した。ライゾトロン法により評価した結果、イネ52品種とソルガム13品種に対するストライガの寄生率は、それぞれ1~60%および20~50%であった。ライゾトロン法で最大のストライガ寄生率を示したイネ品種NERICA18は、ポット試験(ストライガ種子16mg/土壌9kg)でも5.8個体と最大のストライガ出芽個体数を示し、両評価法で高いストライガ感受性が確認された。一方、NERICA5は、ライゾトロン法での寄生率が2.7%、ポット試験での出芽個体数が0.5個体と、高い抵抗性を示した。興味深い知見として、寄生したストライガが高頻度で枯死するイネ品種を見出した。ソルガムについては、現地で感受性と認識されている品種Dabarと抵抗性と認識されている品種Haqiqaのストライガ応答をポット試験で比較した。その結果、1ポット当たりのストライガ出芽個体数は土壌に混入するストライガ種子密度が低い条件(8mg/9kg)では、Dabarで15.8、Haqiqaで0.5個体と両品種間に有意な差異が認められたが、高い条件(16mg/9kg)では有意な差異は認められなかった。このことは、ライゾトロン法で品種間でのストライガ寄生率の差異がイネに比べて小さいという結果とも矛盾しない。また、寄生関係にあるDabarとストライガの葉の内生ABA濃度は、土壌水分条件に関わらず、ストライガで約8倍も高いことを見出した。ストライガはソルガムに比べて土壌乾燥による気孔開度の低下が小さいという知見と併せて考えると、ストライガは葉内の内生ABA濃度が高くなる条件下でも気孔開度を高く保ち、これによりソルガムからの同化産物の転流を維持していると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ライゾトロン法とポット試験の結果が大きくは矛盾しないことが確認でき、ストライガ感受性を評価する簡便な方法としてライゾトロン法が有効であることを見出した。ライゾトロン法およびポット試験の結果に基づき、高いストライガ抵抗性を示すイネおよびソルガム品種を見出し、今後の抵抗性解析に好適な材料を確定した。さらに、次年度以降に備えてソルガムからストライガへの転流を解析する実験の基盤を整えた。

Strategy for Future Research Activity

ライゾトン法では発芽したストライガ種子を宿主根系に接種するため、いわゆるpost-attachmentの抵抗性の評価をしている。一方ポット試験では、各宿主作物品種の根からのストライガ種子発芽刺激物質の分泌量の違い(pre-attachmentの抵抗性)も、最終的なストライガ出芽個体数に影響を与える。このため、水耕栽培したソルガムおよびイネ品種の根滲出物のストライガ発芽刺激活性も調査し、より幅広い視点からストライガ抵抗性・耐性を解析する。また、今年度実施した、宿主同化産物の転流について^<13>Cトレーサーを投与したサンプルの分析を急ぎ、次年度の実験設定の参考とする。さらに、ストライガとソルガムの葉の気孔密度と開度の解析を行い、外生ABAに対する気孔応答の差異について検討する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Ent-2'-epi-Orobanchol and its acetate, as germination stimulants for Striga gesnerioides seeds, isolated from cowpea and red clover2011

    • Author(s)
      Ueno, K., Nomura, S., Muranaka, S., Mizutani, M., Takikawa, H., Sugimoto, Y.
    • Journal Title

      Journal of Agricultural and Food Chemistry

      Volume: 59 Pages: 10485-90

    • DOI

      10.1021/jf2024193

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Structural requirements of strigolactones for germination induction of Striga gesnerioides2011

    • Author(s)
      Ueno, K., Fujiwara, M., Nomura, S., Mizutani,. M, Sasaki, M., Takikawa, H., Sugimoto, Y.
    • Journal Title

      Journal of Agricultural and Food Chemistry

      Volume: 59 Pages: 9226-31

    • DOI

      10.1021/jf202418a

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 陸稲の異なる三種のストライガ抵抗性についてライゾトロン法を用いた評価2012

    • Author(s)
      鮫島啓彰、吉本千壽、Abdel Gabar Babiker, Samia Osman Yagoub、杉本幸裕
    • Organizer
      日本作物学会
    • Place of Presentation
      東京農工大学
    • Year and Date
      2012-03-30
  • [Presentation] 土壌乾燥条件下での根寄生雑草ストライガとソルガムのガス交換と気孔反応2011

    • Author(s)
      井上知恵, 山内靖雄, Amani Hamad Eltayeb, 鮫島啓彰, 上野琴巳, Abdel Gabar Babiker, 杉本幸裕
    • Organizer
      植物化学調節学会第46回大会
    • Place of Presentation
      宇都宮大学
    • Year and Date
      20111101-02

URL: 

Published: 2013-06-26  

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