2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯林の孤立化は林冠木の枯死を招くか?異なる水利用体制化でのギャップ拡大機構
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23405024
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
水永 博己 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20291552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楢本 正明 静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (10507635)
小林 繁男 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40353685)
内田 孝紀 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90325481)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 林冠木衰退 / 風 / 樹冠構造 / 孤立化 / 林冠トポグラフィー |
Research Abstract |
本研究は熱帯林における森林の断片化が林冠木の健全性に及ぼすインパクトを評価することを目的とし、森林の断片化が林冠木の衰退誘因になっているか?:断片化が林冠木にストレスを生じさせる原因は何か? 森林の断片化に伴う風を含む微気象環境の変化と林冠木の根系環境が倒木確率(物理的要因)と立ち枯れ(生理的要因)に及ぼす影響を整理することを本研究の狙いとしている。 林分レベルでの林冠木衰退と断片化属性の関係解析:ベトナム北部CucPhuong国立公園のギャップに面した個体の直径成長と樹冠粗密を継続的に測定している。ギャップ面に接した個体の幹折れが観察された。 植生構造を反映した林冠木の局所環境予測: タイMae Klong11種22個体とベトナムCucPhuong8種40個体の樹冠形状および葉分布のパラメータを測定した。熱帯の多様な種の樹冠構造や葉三次元特性をレーザスキャン法により測定した。このデータは林冠トポグラフィーのモデル化に利用するものになる。 孤立状態の樹木ストレスに対するインパクトの生理生態的アプローチ(国内実験): 孤立状態と樹木の生理反応を詳細に計測するため、孤立ストレスの感受性の高いことが知られている国内のヒノキを対象に、キャビテーションや樹液流速の変化を測定し、孤立によるキャビテーションが発生し樹液流速度が回復しない現象を認めた。 熱帯樹木の風倒被害のリスク評価:熱帯樹木の根元回転モーメントについて整理し、種によって耐回転モーメントの維持に対する千里訳は大きく異なるが、回転モーメントの値にはあまり大きな違いがなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展している。マレーシアでは林冠分断による枯損木が確認され、ベトナムでは幹折れが確認された。また林冠木の樹冠形状の測定も詳細測定が60個体、ラフ測定を含めると140個体の樹冠アロメトリーデータを蓄積できた。根のアンカーデータも蓄積されつつある
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Strategy for Future Research Activity |
樹冠パラメータから林冠トポグラフィーを作成し、流体力学モデルとリンクする。また、LAI空間分布マップを作成する。さらに板根を持つ個体の根アンカーデータを蓄積する
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