2013 Fiscal Year Annual Research Report
紅海沿岸のマングローブ林の動態とその生理生態的特性に関する研究
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23405026
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
中島 敦司 和歌山大学, システム工学部, 教授 (90283960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 賢 岡山大学, その他の研究科, 教授 (50166922)
小見山 章 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60135184)
谷口 真吾 琉球大学, 農学部, 教授 (80444909)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際貢献 / アラブ / マングローブ / 生態系修復・整備 / 森林工学 / 生態学 / 林学 |
Research Abstract |
1)UAE,ジプチにおける調査およびサンプリング:UAEではウマルカイワン水産試験場の協力を得て,ペルシャ湾におけるヒルギダマシ林の分布状況の調査と,DNA分析用のサンプリングを行った(代表・中島,分担者・吉川)。ジプチでは,ジプチ大学の協力を得て,紅海出口付近のアデン湾におけるヒルギダマシ林の分布状況の調査と,DNA分析用のサンプリングを行った(代表・中島,分担者・吉川)。 2)スーダンにおける調査およびサンプリング:紅海大学,スーダン科学技術大学と協力して, ヒルギダマシ林の分布状況の調査と分布状況の調査と,水動態,光合成,DNA分析用のサンプリングを行った(分担者・吉川,連携研究者・松尾)。 3) ヒルギダマシの育成実験:沖縄においてヒルギダマシの育成実験を実施し(分担者・谷口),これまでにエジプト,スーダン,サウジアラビアにおけるマングローブで得たデータとの比較を行った(代表・中島,分担者・吉川,谷口,小見山)。 4)DNAの分析:現地から持ち帰ったサンプルを岡山大学にてDNA分析を行い(分担者・吉川,連携研究者・三木),マイクロサテライト法における遺伝的多様性について解析した。 5)光合成,蒸散特性の分析:現地から持ち帰ったサンプルを三重大学分析し,光合成,蒸散特性,特に水分動態について安定同位体法で解析した(連携研究者・松尾)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地とのカウンターパートとの関係も良好で,かつ,新しくジプチ大学,ウマルカイワン水産試験場との関係もできた。また,鳥取大学,東京農業大学と情報交換しながら合同で現地調査を実施した。さらに,当該年度に訪問できなかったエジプト,サウジアラビアのカウンターパートとも情報交換を継続しており,アラビア半島,アフリカ北部のマングローブの情報がより入りやすい状態となった。業績の方は国際誌への掲載が実現でき,査読中の論文も複数ストックできている。また,2013年12月~2014年1月にかけ,国立科学博物館における総合地球環境研究所の一般向け展示会に本プロジェクトの小ブースを設置し,成果を一般に公開するともに,一般書に解説文を4件(2冊,それぞれ2件ずつ)掲載した。以上のことから,おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)これまでの調査国の中で,DNA分析のためのサンプリングが十分とは言えないペルシャ湾(UAE),紅海付近ジプチでの調査を継続し,さらに,比較のためにアフリカ東岸のさらに南方(ケニアを想定),オマーン,インド,東~南アジア(タイ,ミャンマー,沖縄),アメリカ大陸(メキシコ)などとの比較も検討する。 2)ヒルギダマシという樹木の生理特性について,群落動態,耐塩性,水分動態の視点からの整理を深める。 3)これまでの研究成果を学会公表するとともに,ヒルギダマシ林の保全,植林に対するガイドライン作成を前提とした成果整理を実施する。特にラクダ放牧との適切な関係性について整理する。放牧圧という意味において,水域以外の乾燥地樹林が受ける影響との比較も検討する。
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Research Products
(8 results)