2013 Fiscal Year Annual Research Report
バイオロギングによるタイ国シリキットダム湖におけるメコンオオナマズの生態解明
Project/Area Number |
23405032
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荒井 修亮 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (20252497)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオロギング / メコンオオナマズ |
Research Abstract |
メコンオオナマズ(Pangasianodon gigas)は、メコン川流域の固有種であるが、近年、その漁獲量は激減し絶滅が危惧されているが、タイ国では国内のダム湖に人工種苗を放流している。本研究は、超音波テレメトリーによる本種の詳細な分布の把握と湖底地形の計測を行った。合わせて、メコンオオナマズが空気呼吸を行っているかを深浅移動の超音波テレメトリーでの計測と、解剖による観察で空気呼吸の可能性を検討した。 タイ国ケンクラチャン湖において24台の超音波受信機(VR2W, Vemco社)を設置し、VR2W Positioning System (VPS)でメコンオオナマズの行動を計測した。タイ国水産局で養殖されたメコンオオナマズ23尾(全長88±6cm)と,湖で漁獲された半野生魚2尾(全長204cm, 201cm)の腹腔内に、深度・加速度・温度センサー付き超音波コード化発信機(V13AP, V16TPを装着、放流した。また、水温と溶存酸素を測定した。合わせて、ダム周辺の湖底地形をGPS魚探で計測した。 25尾のうち9尾の詳細な分布が明らかになった。GPS魚探による湖底地形の計測からメコンオオナマズは旧河川付近に分布することが示唆された。また、複数の養殖魚において、夜間はダム周辺を利用し、昼間は北へ移動する周期的な水平移動が見られた。さらに、半野生魚のうち1尾は、湖を広範囲に利用していた。 超音波テレメトリーによる追跡の結果、メコンオオナマズが貧酸素水層を避ける行動に加えて、水面への浮上行動を確認することができた。また、解剖による観察から、食道と鰾が気管で繋がっていることと、鰾内に血管が張り巡らされていることを確認した。これらの実験および観察から、メコンオオナマズは空気呼吸を行うことで、底層から中層が貧酸素状態になるダム湖でも生息が可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)