2014 Fiscal Year Annual Research Report
韓国に生息するキバノロの生体及び生理機構の網羅的解明と潜在的感染症の疫学的調査
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23405042
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
保田 昌宏 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10336290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 益雄 宮崎大学, 学内共同利用施設等, 教授 (10305063)
那須 哲夫 宮崎大学, 農学部, 教授 (40108725)
佐々木 基樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (50332482)
森田 哲夫 宮崎大学, 農学部, 教授 (90301382)
上村 涼子 宮崎大学, 農学部, 助教 (90529190)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キバノロ / 寄生虫 / 日内休眠 / 頭蓋骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
キバノロは、朝鮮半島および中国東北部に生息するシカ科に属する原始的な反芻動物である。本年度は、以下の3点について主に研究を実施したので概要を報告する。 1.キバノロの越冬戦略として日内休眠を使っているかどうかの研究を実施した。一昨年、キバノロの頚部皮下にデータロガーを挿入し体温を測定した結果、厳冬期の1-2月にかけて体温が29度以下になる低体温現象が観察された。そこで本年度は,一昨年休眠様低体温が観察された時期と同じ時期に、深部体温を計測する研究を実施した。ソウル大学獣医学部とソウル動物園の協力を得て、ソウル動物園の展示動物を用いて実験を行った。深部体温を測定する目的でデータロガーをキバノロ(メス2頭)の膣内に留置して、一ヶ月間留置して体温の計測を行った。同時に環境温度の計測も実施した。データロガーの解析は1頭のみで成功した。その結果、体温は恒常性を維持しており、低体温状態は観察されなかった。さらに、外気温を解析したところ、マイナス5度程度を推移していた。つまり、この冬は外気温が高く、キバノロの日内休眠が誘導できなかったと考えられた。 2.キバノロの頭蓋骨の骨間縫合の癒合時期について雌雄差を比較して、ドイツ国のほ乳類学会で発表した。 3.キバノロの腸管寄生コクシジウムの遺伝子解析と形態学的解析を実施した。キバノロのロードキル個体(19個体)から腸管を採取して検査した結果3個体からEimeria ITS-1領域の遺伝子が増幅できた。分子系統樹から、一つはE. wyomingensisに近縁であったが、残りの2つはウシのEimeria属とはやや離れていることが明らかになった。形態的には、メロゾイト、シゾント、ガメートサイト、チゴートなどが認められた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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