2011 Fiscal Year Annual Research Report
中国農用地汚染土壌における植物を用いた収益型修復技術の確立
Project/Area Number |
23405049
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
王 効挙 埼玉県環境科学国際センター, 自然環境担当, 専門研究員 (20415392)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 専門研究員 (90415373)
磯部 友護 埼玉県環境科学国際センター, 資源循環・廃棄物担当, 主任 (50415387)
細野 繁雄 埼玉県環境科学国際センター, 研究企画室, 副室長 (00415390)
|
Keywords | 環境修復 / 土壌汚染 / ファイトレメディエーション / 重金属 / バイオマス / 海外調査 / 中国 |
Research Abstract |
本研究では、深刻化する中国の農地汚染土壌を対象として、有用植物の利用により汚染土壌の有効利用と修復を同時にできる「収益型汚染土壌修復技術」の確立を目的とし、今年度は中国で現場試験を実施するための農地及び作物の事前調査及び有用植物を用いた室内試験を日本及び中国で行った。中国東北部(吉林省)、東部(上海市)、中部(山西省)で試験候補農地及びその作物の汚染状況を調査し、数多くの地点の土壌はNi、Cd、Cr、Zn、Cuの一種また多種の重金属に汚染され、作物中の重金属含有量も食糧の安全基準を上回る地点があった。また、十数種の有用植物を用いた汚染土壌修復の室内試験では、バイオマス量は植物及び品種により大きな差があったものの向日葵、トウモロコシ、マリーゴールドの生育が優れていた。向日葵はCu、Zn、Mnの蓄積量が、マリーゴールドはCdの蓄積量が高かった。トウモロコシのNi、As、Cr、Pbの蓄積量は向日葵とマリーゴールドと同等レベルであった。これにより、バイオ燃料に利用可能な向日葵やトウモロコシは生育力が優れていると共に、重金属の蓄積もでき、汚染土壌修復に利用可能であることが示された。また、品種により生育状況や重金属の蓄積量に大きな差があり、土壌修復には品種の選択も非常に重要であることが分かった。 今年度の研究では、中国の汚染農地の現状、特徴、利用実態及びその環境リスクを把握することができた。また、計画した三つの地域に試験地の確保と試験の実施準備ができた。さらに、バイオ燃料用植物等の有用植物の汚染土壌での生育と修復の特徴を把握できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国での汚染地の調査と汚染状況及び原因の解明、代表的地域の汚染農地の確保、現場試験実施の準備、各代表地域の植物種の選定と確保ができ、計画通りに進んでいた。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)東北地域の試験用圃場は1箇所から2箇所に、上海市の試験地1箇所から、試験地1箇所プラス監視調査汚染農地2箇所に増やしたことから、研究業務の量は大幅に増加している。これより、中国側の研究協力者との連携を一層強化する必要がある。また、研究協力者及び研究分担者の更なる協力が必要である。 (2)中国側の研究協力者らの大学院生やチームメンバーの参加と協力を推進し、各地域での試験研究を効果的に実施していく。
|