2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗がん剤・耐性克服剤開発のためのタイ国産植物の調査・試料収集と薬効の科学的検証
Project/Area Number |
23406005
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高野 幹久 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (20211336)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 薬学 / タイ植物 / がん治療 / 抗がん作用 / 耐性克服作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
タイ国では、いわゆる伝承医療において、様々な天然植物由来の医薬品、健康食品の類が利用されており、まだまだ未知の医薬品シーズが眠っているものと思われる。本研究では、現地にて情報・試料(伝承医薬)の収集にあたるとともに、薬理作用(抗がん作用や抗がん剤多剤耐性克服作用)について科学的に検証することを目的としている。本年度の研究成果は、以下の通りである。 1)バンレイシ科植物Ellipeiopsis cherrevensisの抽出物 (KP018)の抗がん作用の詳細について、抗がん剤排出ポンプP-glycoprotein (P-gp)を高発現しパクリタキセルに耐性を示すPR-HepG2細胞を用いて解析した。その結果、KP018はPR-HepG2細胞にネクローシスを誘発すること、さらにそのネクローシスには活性酸素が関与することが明らかとなった。 2)そこでさらにショウガ科植物4種、ミカン科植物2種、バンレイシ科植物3種の抽出物についてP-gp阻害活性を調べたところ、全ての抽出物がPR-HepG2細胞におけるパクリタキセルの取り込みを上昇させ、P-gp阻害効果(抗がん剤多剤耐性克服効果)を持つことが明らかとなった。 3)中でもショウガ科(Zingiberaceae)の植物であるCurcuma comosaやKaempferia marginataの抽出物に強いP-gp阻害効果が見られたことから、これら植物試料のさらなる収集を現地にて行おうとしたが、バンコクにて発生した反政府デモにより治安が悪化し、渡航が制限されたため、政情の安定を待って翌年度に収集することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に入手していたタイ植物試料を用いた検討(抗がん作用、抗がん剤多剤耐性克服作用の解析)は、順調に進行した。しかし、研究を進める上でさらに多くの量の試料が必要となったため、現地にて収集予定であったが、これについては前述の理由で果たせなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度に収集を果たせなかったタイ国産植物試料について、来年度に収集するとともに、タイ国研究者とこれまでの結果について討議する。収集したタイ国産植物試料について、抗がん作用、抗がん剤多剤耐性克服作用を解析し、本研究実施期間の中で得られた実験結果を総合的に勘案し、新たな抗がん剤、抗がん剤多剤耐性克服剤発見のシーズとして適した植物について考察する。
|
Research Products
(21 results)
-
[Journal Article] Flow cytometry analysis of cancer cell death induced by the extract of Thai plant Ellipeiopsis cherrevensis.2013
Author(s)
Yumoto, R., Kakizoe, S., Nagai, J., Patanasethanont, D., Sripanidkulchai, B. and Takano, M.
-
Journal Title
Drug Metab. Pharmacokinet.
Volume: 28
Pages: 159-163
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] Introduction of a single transporter gene ABCA3 directs RLE-6TN to more type II-like alveolar epithelial cells2013
Author(s)
Takano, M., Yamamoto, C., Sambuichi K., Oda, K., Nagai, J., Shimamoto, A., Tahara, H. and Yumoto, R.
-
Journal Title
Membrane
Volume: 38
Pages: 246-253
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-