2012 Fiscal Year Annual Research Report
南東アフリカへの感染症ウイルスと媒介蚊の侵入と拡散:大地溝帯と気候の影響
Project/Area Number |
23406008
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
皆川 昇 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00363432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00346925)
二見 恭子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)
比嘉 由紀子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40404561)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 南東アフリカ / ネッタイシマカ / ヒトスジシマカ / ウイルス / 環境変化 / 大地溝帯 / 移動 / 集団遺伝 |
Research Abstract |
マラウイ共和国の予定していた地点を含む、ほぼ全土での採集は終了し、周辺国での採集を継続中である。成虫を対象としたトラップやスプレーキャッチ法では、効率よくネッタイシマカ(Aedes aegypti)が採集されないために、古タイヤや人工容器などのよく知られている繁殖地を中心にネッタイシマカの幼虫や蛹を採集した。その結果、マラウイ共和国のほぼ全土でネッタイシマカが分布することがわかり、周辺国も含め南東アフリカにおいて広範囲に分布していることが明らかになりつつある。また、採集した幼虫と蛹を育てて成虫にしたところ、ネッタイシマカが採集された全ての地点で、2亜種(都市型:Ae. aegypti aegypti と森林型:Ae. aegypti formosus)が 含まれていた。よって、これまで言われてきたように、これら2亜種の分布が都市と森林に限定されていることはなく、広く分布が重なることが明らかになった。しかし、それら2亜種の割合は採集地点によって違っており、現在、その違いに影響を及ぼしている要因がなにかを分析中である。また、ライトトラップなどでは、ネッタイシマカ以外の蚊も多く採集されており、種の同定を進めるとともに、各種の分布を明らかにし、分布に影響を与えている要因を分析中である。しかし、ヒトスジシマカは、これまで採集されていない。また、採集した蚊の中からウイルス検出を試みているが、これまで人間の病気に関わるウイルスは検出されていない。集団遺伝解析については、ネッタイシマカを中心に使用するマイクロサテライトマーカーを決定し、解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マラウイでは、採集予定地域以外でも採集することができ、ほぼ、全土をカバーすることができた。一方、周辺国での採集が遅れている。また、集団遺伝解析も遅れ気味であり、全体的に進捗状況はやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
マラウイ以外の国において蚊のサンプル採集の終了を目指す。ネッタイシマカに関しては、これまでの調査で、成虫での捕獲の効率が良くないので、対象に幼虫と蛹も加える。採集が終了次第、分布に影響を与えている環境要因を明らかにする。さらに、集団遺伝解析のスピードアップを目指す。
|