2013 Fiscal Year Annual Research Report
南東アフリカへの感染症ウイルスと媒介蚊の侵入と拡散:大地溝帯と気候の影響
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23406008
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
皆川 昇 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00363432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真吾 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (00346925)
二見 恭子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (30432983)
比嘉 由紀子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40404561)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 南東アフリカ / ネッタイシマカ / ヒトスジシマカ / ウイルス / 環境変化 / 大地溝帯 / 移動 / 集団遺伝 |
Research Abstract |
当該年度ででは、ザンビア、モザンビークでサンプル採集を実施した。ヒトスジシマカは、ザンビアとモザンビークでも発見されなかったが、より感染能力の高いと考えられている都市型のネッタイシマカ(Aedes aegypti aegypti: Aaa)が、モザンビーク北岸で森林型(Aaf)よりも多くみられた。一方、マラウイ同様、モザンビーク南部、ザンビアでは、Aafが優占的であった。しかし、ザンビアの首都ルサカでは、Aaaの割合が地方よりも高かった。また、必要な環境要因は、衛星データなどにより収集するとともに、蚊の採集を実施した地点では、必要な情報を収集した。これらのことより、Aafの分布は、より内陸部と南部に偏る傾向があり、温度とともに、海岸からの距離の影響が示唆された。一方、ルサカでAaaの割合が高くなっているのは、都市化の影響が示唆される。 集団遺伝解析は、マラウイからのサンプルに関しては、ほぼ終了し、最南部の集団が、マラウイの他の地域と比べて遺伝的に隔離されていることがわかった。マラウイ南部は、大地溝帯へ続く低地となっており、大地溝帯が蚊の移動に影響を与えているという本研究の仮説を支持する結果となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マラウイ、ザンビア、モザンビークと予定していた採集地点の多くをカバーできたが、ジンバブエなど数地点の採集が実施されていない。しかし、予定していない地域などからもサンプルの採集ができ、より多くのデータが集まっている。よって、サンプル数が予定よりも膨大になり、遺伝子解析は遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
実施されていない地点での採集は、26年度開始早々終了予定である。また、遺伝解析も軌道に乗っており、遅れ気味ではあるが、26年後半には終了する予定である。結果が出次第、随時、論文としてまとめていく予定である。
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Research Products
(2 results)