2013 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における環境汚染の小児健康影響に関する国際共同研究
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23406024
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横山 和仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (00158370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 省 順天堂大学, 医学部, 教授 (20143456)
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
千葉 百子 順天堂大学, 医学部, その他 (80095819)
MOHSEN Vigeh 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, その他部局等, 研究員 (80455485)
篠原 厚子 清泉女子大学, 付置研究所, 教授 (90157850)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 衛生 / 小児 / 健康影響 / 微量元素 / 環境 |
Research Abstract |
近年、微量元素の低濃度曝露が妊婦およびその胎児・出生児の健康へ影響することが示唆されている。日本を含む先進国では大規模コホート調査が始まったが、その一方で、開発途上国においての健康影響はあまり顧みられていない。申請者らはこれまで、経済発展の著しい地域であるテヘラン、大連を対象とし、胎児期・新生児期における環境中微量元素の非職業性曝露について疫学調査を行い、これらの曝露が妊婦およびその胎児・出生児の健康に影響することを明らかにしてきた。本研究では、これら疫学調査対象者(児)のフォローアップを行うとともに、インドネシアのジャカルタ近郊における微量元素の低濃度曝露が、胎児期から小児期の健康に与える影響について途上国を中心に解明を進めている。本年度はテヘラン、大連等においての現地調査を継続してきた。平成23年度から得られているデータについて、質問紙調査の結果、身体指標、および微量元素曝露量との関係について解析を進めている。 テヘランにおいては、平成18-21年度の調査対象者(児)に対して質問紙調査による健康状態の調査を行った。対象者全332例中、25名の追跡をしている。前年度までに取得したデータと合わせて解析を進めていく。 大連市では、中山地区と甘井子地区の婦幼保健センターと衛生防治院の追跡データからフォローアップデータの取得を試みる。区のセンターに存在する妊娠初期と晩期の診察データより、妊娠初期・中期から児の発育まで追跡するデータを得る。追跡データの獲得数を増やすとともに、昨年度取得したデータとあわせて解析を進めている。 インドネシア共和国のジャカルタにおいては、児童のベースライン調査を開始する準備を進めた。研究対象はインドネシア国立イスラム大学の近隣地域に居住する学齢期の児童およびその保護者とし、これらの対象者が常用する飲料水等と健康状態との関連について調査を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査が日本を含めて4か国にわたるため、各調査地域における対象者の数があまり増えていない。特に、平成18年度~21年度に調査を開始した国においては、当時の対象者の追跡率を上げることが難しい。また、イランに関しては近年の政情不安からインフレが進んでおり、限られた費用の中で調査を進めることが難しくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
テヘラン、大連等においての現地調査を継続し、対象例数の増加をする。平成23年度から得られているデータについて、質問紙調査の結果、身体指標、および微量元素曝露量との関係について解析を進めていく。 テヘランにおいては、過去にベースライン調査を行った平成18~21年度の調査対象者(児)が就学をするため、追跡を終了する。この調査対象者から得られた傾向を明らかにするため、テヘランの未就学児童について同様の調査を横断的に実施する。具体的な調査項目としては就学前児童のための発達上/行動質問紙調査を行い、身体検査のパラメータならびに母親と子どもから尿と髪を、また母親から血液サンプルを採取する。得られた測定データを匿名化ののち順天堂大学衛生学講座に送り解析をする。 大連市では、中山区と甘井子区の婦幼保健センターと衛生防治院の追跡データからフォローアップデータの取得を進めていく。区の婦幼保健センターに存在する妊娠初期と晩期の診察データより、妊娠初期・中期から児の発育まで追跡するデータを得る、解析を行う。 インドネシア共和国のジャカルタにおいて、児童のベースライン調査を進めていく。研究対象はインドネシア国立イスラム大学の近隣地域に居住する学齢期の児童とし、これらの対象者が常用する食物、飲料水、薬品あるいは社会経済上の因子について調査を進める。現在、調査対象の例数を増やすよう、現地研究施設と交渉を進めている。 以上までの調査研究を継続し、同時に本邦においても同様の検討を行う。得られた結果について開発途上国とのデータ比較を行う予定である。
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