2014 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における環境汚染の小児健康影響に関する国際共同研究
Project/Area Number |
23406024
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横山 和仁 順天堂大学, 医学部, 教授 (00158370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 省 順天堂大学, 医学部, 教授 (20143456)
清水 俊明 順天堂大学, 医学部, 教授 (30260889)
千葉 百子 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (80095819)
MOHSEN Vigeh 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 有害性評価研究グループ, 研究員 (80455485)
篠原 厚子 清泉女子大学, 付置研究所, 教授 (90157850)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小児 / 微量元素 / 環境 / 健康影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
微量元素の職業低濃度曝露がない母体の妊娠・出産影響とその出生時の先天異常障害、発達障害等の量-影響(反応)関係を、開発途上国を対象として調査した。テヘラン、大連、セルポンにおいての現地調査を実施した。 テヘランでの調査では、妊娠時の妊婦のアウトカムと妊娠中母体血中元素濃度の関係について解析を行った。妊娠高血圧の発生と、妊娠初期もしくは中期の血中マンガン濃度について、それぞれ有意な関連があることを明らかにした。また、これら母親から生まれた児について、妊娠中の母体血元素濃度と就学前児童のための発達上/行動質問紙調査のスコアの関連について検討を行った結果、今回対象とした児の発達スコア下位20%子供たちの群では、それ以外の児に比べ、母親の妊娠初期の母体血中鉛濃度が有意に高く、比較的低い母体血中鉛濃度(平均で< 6.5 mug/dL)でも、その後の児の発達に影響を及ぼす可能性を示唆するものであった。 大連の調査からは、母体血および臍帯血中のマンガン濃度が出生体重と関係することが明らかとなった。生まれてきた児の出生体重は母体血中マンガン濃度が低い群と高い群では低くなり、母体血中マンガン濃度が中程度では高いという、傾向を示した。 インドネシアのセルポンでは対象児の血中鉛濃度には男児が高いという性差が認められた。児の血中鉛濃度は、父親の収入、母親の教育歴などが低い、あるいは井戸水を飲料水に使用している場合、有意に高く、この傾向は女児において顕著であることを明らかにした。また井戸水の使用率は、社会経済レベルが低い家庭において有意に高率であった。低社会経済状態に伴う井戸水使用により小児の鉛曝露が高くなったこと示唆され、こうした曝露には性による行動の違いが影響するものと思われた。10 mug/dl 以上の血中鉛濃度をもつ小児については、特に介入が必要であると考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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