2011 Fiscal Year Research-status Report
グラフ分割アルゴリズムの設計法とその応用に関する研究
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23500001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
周 暁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (10272022)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 木 / 直並列グラフ / 部分k木 / グラフ分割 / 彩色 / 動的計画法 / FPTAS |
Research Abstract |
本研究では応用上よく現れるグラフのクラスである木,直並列グラフ,部分k木に対して,配電融通,システム解析・設計, 論理回路設計, VLSIの配線問題を含む様々の問題に応用されるグラフ分割問題を解くアルゴリズムの設計論を構築することが研究目的である. 今年度の成果として,グラフ特に木や直並列グラフや木幅が小さいグラフに関する理論的な展開とアルゴリズムの効率化があげられる.電力網などを需要点と供給点のあるグラフでモデル化し,供給されている需要点の需要量の合計が最大になるような電力の流し方を求める最大化問題を扱っている.本研究では,この最大化問題は木に対してすらNP困難であることを示した.さらに,木,直並列グラフ,部分k木に対し,グラフの分割と巧みな動的計画法を導入して,この問題を擬多項式時間で解く効率のよいアルゴリズムやFPTASと呼ばれる極めて良い近似アルゴリズムを与えている.研究開発したアルゴリズムの多くは現在でも世界一高速であり,世界に誇る優れた成果として高く評価されている. また,グラフの彩色,辺集合分割問題など重要な組合せ問題のほとんどに対し,極めて効率のよいアルゴリズムを与えている.これらグラフアルゴリズムに関する成果は3編の論文とし,一流国際学術誌や国際会議で発表されている.これらのアルゴリズムの開発で導入された手法はグラフの彩色,分割問題に限らず多くの組合せ問題に応用可能である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定では,電力網などを需要点と供給点のあるグラフでモデル化し,供給されている需要点の需要量の合計が最大になるような電力の流し方を求める最大化問題を解くアルゴリズムを検討し,シミュレーションによって得られるデータを分析し, 構造的グラフである部分k木に対する配電融通問題を解く効率的アルゴリズムを検討する予定であった.ほぼ予定とおり,木に対し,グラフの分割と巧みな動的計画法を導入して,この問題を擬多項式時間で解くアルゴリズムを与えることが成功した.さらに,需要と供給を満たしながら,ある電力の流し方からある指定される電力の流し方まで,供給を中断なく遷移可能かどうかの成果も得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度で得られた木に対する結果を拡張し,部分k木に拡張する予定である.部分k木は木の一般化であり, 普通の木は部分1木であり, 外平面グラフや直並列グラフは部分2木である. このように部分k木は直並列グラフの一般化ともいえる. 部分k木の分解木という木構造を用いて動的計画法でを開発する予定である.具体的には, 分解木の各節点の解のベクトル表現の種類が高々グラフの入力サイズの多項式で抑えるように,各節点での同値類を特徴付ける関数を定義する.分解木の葉から根に向かって,動的計画法を用いることによって,その問題を多項式時間で解くことができることを開発する予定である. また,開発したアルゴリズムのシミュレーションを平成23,24年度で購入予定のパーソナルコンピュータを用いて実験し,得られるデータを分析する.実験的評価,新手法の導入などにより,効率のよいアルゴリズムを構築する.得られた途中成果をまとめ,国際会議で論文発表し,国際学術論文誌に投稿する予定である. さらに,平成24年度で購入予定のパーソナルコンピュータを用いて, いままで得られたアルゴリズムを可視化し, ウェブ上で公開する手法の妥当性を詳しい検証し, 可能であれば, ウェブページで公開する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)設備備品費(20万円):既存のアルゴリズムや開発したアルゴリズムのシミュレーションに必要な最小限の設備である.(2)旅費(80万円): 年6回/人程度に研究成果を国際会議や国内会議で発表したり,国内外の大学等に調査に出かけるのに必要な最小限の国内旅費と国外旅費を計上している.(3)研究補助(5万円): 既存のアルゴリズムや開発したアルゴリズムのインプレメンテーションには年院生1人をアルバイトとして雇用するに必要な最小限の経費を計上している.(4)その他(15万円):研究成果を学会や雑誌に投稿する際,必要な経費であり,また計算機ネットワークを使用する際,データ通信料も必要な経費である.
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Research Products
(3 results)