2013 Fiscal Year Annual Research Report
不正者全員を特定可能な電子指紋符号の構成法とその性能解析
Project/Area Number |
23500004
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古賀 弘樹 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20272388)
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Keywords | 電子指紋符号 / 著作権保護 / 不正者特定 / 符号化定理 / 容量 / 情報理論 |
Research Abstract |
電子指紋符号は,有償の動画配信など,ライセンスのあるディジタルコンテンツ(以下,単にコンテンツという) の不正配信を抑止するための技術である.電子指紋符号の枠組では,通常,コンテンツの配布者は,ライセンスを購入するユーザと1対1に対応する符号語をコンテンツ内に秘密裡に埋め込んで配布する.不正配信されたコンテンツ(海賊版)が発見されたとき,配布者は,海賊版に埋め込んである符号語を抽出することによって,コンテンツを不正に配信したユーザを特定することができる.本研究の目的は,一定数以下のユーザが結託して海賊版を生成したとしても,その海賊版生成に関わったユーザ全員を特定できる方式を開発し,その性能を評価することにある. 最終度の成果は,結託して海賊版を生成するユーザの数が2または3で,符号語が独立同一分布に従って生成されている場合に,ある簡単な不正者特定器によって不正者全員を特定できる確率とユーザの総数のトレードオフの関係を評価したことである.実際,不正ユーザの数が2であるときには,ユーザ数がの指数部がある条件を満たせば,特定成功確率は符号語長とともに1に漸近することを示した.また,符号語を独立同一分布に従うのではなく,一部を異なる分布を用いて生成することが有用な場合があることを示した.また,不正ユーザ数が3のときは,同じ方式では 不正者全員を特定できない場合があることがわかった.また,電子指紋符号とも関連の深い量であるSmooth Renyi エントロピーの値を,容易に求める方式を提案し,国際会議 2013 IEEE ITWで発表した. 研究期間全体の成果としては,海賊版の生成に関わったユーザの数がわかっている(または上界がわかっている)場合に,ユーザ数と特定成功確率のトレードオフ関係の概要がわかったことが挙げられる.特に不正ユーザが公平な場合に本アプローチが有効であることが示された.
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Research Products
(3 results)