2012 Fiscal Year Research-status Report
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23500005
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 眞一 群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30227855)
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Keywords | 平面グラフ / アルゴリズム |
Research Abstract |
大規模な平面構造のコンパクトなデータ構造を開発することが本研究の目的である。計算機の能力は年々向上しているが、扱うデータはそれ以上のスピードで巨大化している。本研究により、大規模な平面構造を扱う新たな手法を開発する。 本年度は、長方形をいくつかの長方形に分割した方形描画とよばれる平面構造をきわめてコンパクトに格納する新しいデータ構造を設計した。方形描画は様々な構造のモデルとなる重要な描画である。必要なbit数はわずかに4f-B-3 bit である。これは従来最もコンパクトなデータ構造よりもB bit だけ少ない。ここでB は外周の長方形の一番下の辺に接する長方形の個数である。この符号は、深さ優先探索とスタックに基づくものであり、実装も容易である。また、矩形描画を辺の長さも含めてコンパクトに格納する新しいデータ構造を開発した。さらに、従来の符号では、4次点を扱えなかったが、これも扱えるような新しいデータ構造を開発した。また、モザイクフロアプランというクラスのグラフの描画に対して、新しいコンパクトな符号を開発した。これは、知られている最も短い符号よりもさらに短い符号となっている。 いくつかの平面構造に関するアルゴリズムを開発した。例えば、葉の個数と内点の個数が指定された順序木を、重複も抜けもなく、きわめて高速に列挙するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムはそのような順序木を1個あたりわずかO(1)時間で列挙する。理論的に最速なアルゴリズムである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでにいくつもの結果を論文としてまとめ発表している。A Compact Encoding of Rectangular Drawings with Edge Lengths という論文が電子情報通信学会英文論文誌に採録となり2013年6月号に掲載される。 格子L字描画のコンパクトな符号という論文が電子情報通信学会和文論文誌に4月に採録となり、9月号頃に掲載予定である。 どちらも平面構造を、これまで知られていた手法よりも 少ないメモリで格納する方法について報告している。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに広いクラスの平面構造についてコンパクトなデータ構造を開発する。 実際の電子地図や回路図や路線図等への応用について検討する。 コンパクトに格納したまま、さまざまなデータを取り出すしくみ(クエリ)を サポートする方法についても検討開発評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
内外の研究者とアイディアや成果や課題を交換するために旅費を使用する。 開発したデータ構造の実装や実験のためにPC等を購入する。 関連する論文等を調べるために図書を購入する。
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