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2011 Fiscal Year Research-status Report

ネットワークの耐故障性を考慮したグラフ構造の解析とアルゴリズムの設計

Research Project

Project/Area Number 23500007
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

荒木 徹  群馬大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361042)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords支配集合問題 / 耐故障性 / グラフアルゴリズム / 完全独立全域木 / 有向グラフ / 局所トーナメント / コーダルグラフ
Research Abstract

今年度に行った研究のテーマは,おもに二つである.一つは有向グラフ(ダイグラフ)の支配集合についての研究であり,もう一つは完全独立全域木の構成に関する研究である.支配集合問題とは,ネットワーク上の各ノードが隣りあうノードからサービスを受けることができるように,ネットワーク上へ資源を配置することと対応する.有向グラフの双方向支配集合という問題は,これまであまり研究されていない比較的新しい問題である.その中で,対象をラウンドダイグラフと呼ばれるグラフへ限定し,その最適な支配集合を求める効率的なアルゴリズムを設計し,その成果を発表することができた.その後,頂点が重みを持つラウンドダイグラフでの最小重み双方向支配集合を求めるアルゴリズムへ拡張した.この成果は論文としてまとめ,現在投稿中である.グラフにある条件を満たす全域木を構成する問題は,ネットワーク上の通信やアルゴリズムの設計において,基本的な問題である.全域木を利用したルーティングを行うと,通信を行うアルゴリズムが単純になるという利点があるが,一方で経路上に1カ所でも故障が発生するとメッセージが目的地まで送信できなくなってしまう.そこで,途中が重複しない経路を構成できるように複数の全域木を構成することが目的である.これまでの研究で,単純なグラフでも全域木を構成するアルゴリズムは計算困難になる事が示されている.そこで今年度は,全域木が構成可能であるための単純な十分条件を示すことを目標とした.実際に,これまで知られていなかった新しい特徴付けと,いくつかの十分条件を示す事ができた.また,対象とするグラフをコーダルグラフに限定し,連結度と完全独立全域木の関係について明らかにすることができた.これら結果は今年度中に発表する事ができなかったが,来年度すぐ(2012年5月)に一部を発表する予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね順調に進展し,計画していた目的を達成できた.支配集合問題については,計画にあった多重支配についての研究に着手することができなかった.これは,双方向支配について,当初予定していなかったグラフを対象としてアルゴリズムを設計することを始めたためである.これにより今年度に成果があったラウンドダイグラフの結果を一般化することができるため,多少計画を変更することになった.完全独立全域木については,予想以上の成果があったと思う.論文としてまとめるには至っていないが,すぐに論文の作成に取りかかることができる状態にある.またこの問題についてハイパーキューブについて考察することを計画し,実際に着手したが予想以上に理論的な困難さがあり,思ったよりも進まなかった.これは来年度も引き続き継続する必要がある.

Strategy for Future Research Activity

今年度に得られた成果を拡張する方向で研究を進めていく.有向グラフの支配集合問題における大きな問題に,トーナメントと呼ばれるグラフで支配集合を求めるアルゴリズムの設計がある.現在までその計算量はよく分かっておらず,NP完全性も多項式時間で計算できるのかも証明されていない.しかし,有向グラフでのアルゴリズムを研究する上で,このグラフを考察することは避けて通ることができない.今後はそのトーナメントを一般化した局所トーナメントを主な研究対象とする.じつは局所トーナメントは,通常のグラフの中で非常によく研究されている区間グラフやCircular arcグラフと呼ばれるグラフと関係が深い.そうしたさまざまな成果を利用しながら,今年度の成果を拡張していく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

国内外の国際会議や研究会,全国大会などで発表するための旅費が必要となる.今年度に得られた成果の一部を来年度に発表することになる.昨年度の途中で,23年度中に発表できる機会がないことが分かったため,研究費の一部を24年度に繰り越して利用することにした.また,完全独立全域木についての研究は理論的研究ではあるが,研究の進め方として数万~数十万頂点のグラフを探索して,解の存在や性質を探る必要があることが分かった.そのための計算機を購入することになる.その計算機は現在3台程度購入を希望しており,それらを一度に購入するために前年度の研究費の一部を繰り越して24年度に利用することにした.

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ラウンドダイグラフの双方向支配について2011

    • Author(s)
      中島環,荒木徹
    • Organizer
      LAシンポジウム2011夏
    • Place of Presentation
      ザヴィラ浜名湖(静岡県)
    • Year and Date
      2011年7月19日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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