2011 Fiscal Year Research-status Report
ナノ回路設計のための実際的な高速アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
23500009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 修一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (30151814)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / ナノ回路 |
Research Abstract |
研究の開始年度から沢山の重要な発見がありました.・2部弦グラフに対するバンド幅問題はNP完全である難しい問題ですが,2部置換グラフに対するバンド幅問題は多項式時間で解ける易しい問題であることが知られています.我々は,バンド幅問題は凸グラフに対してさえもNP完全であることを明らかにしました.また凸グラフのバンド幅問題に対して定数近似比の線形時間近似アルゴリズムを提案しました.更に2方向直交半直線交差グラフのバンド幅問題に対して定数近似比の多項式時間近似アルゴリズムも提案しています.ただし,双凸グラフに対するバンド幅問題の計算複雑度は未解決です.ここで,2方向直交半直線交差グラフは2部弦グラフの特別な場合であり,凸グラフは2方向直交半直線交差グラフの特別な場合であり,双凸グラフは凸グラフの特別な場合であり,2部置換グラフは双凸グラフの特別な場合です.・部分グラフ同型問題はNP完全ですが,部分木同型問題は多項式時間で解けることが知られています.我々は,2方向直交半直線交差木に対する部分木同型問題は更に高速に解くことができることを明らかにしました.・最大均衡完全2部部分グラフ問題はNP完全ですが,直交半直線交差グラフに対しては多項式時間で解けることをすでに明らかにしています.我々は,2部置換グラフに対して最大均衡完全2部部分グラフ問題を解く線形時間アルゴリズムを提案しました.・最小帰還点集合問題は2部グラフに対してもNP完全ですが,凸グラフに対しては多項式時間で解けることが知られています.我々は,2部置換グラフに対して最小帰還点集合問題を解く線形時間アルゴリズムを提案しました.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直交半直線交差グラフとそれに関連するグラフに対する様々な問題の計算複雑度を考察することにより,直交半直線交差グラフの様々な離散構造が明らかになりました.実は,まだ発表していませんが,直交半直線交差木の特徴付け(必要十分条件)を発見しています.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進める予定です.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用した旅費が予算額よりも少額でしたので次年度使用予定の研究費がありますが,今年度の未発表の研究成果の発表のための旅費として次年度に使用する予定です.
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