2012 Fiscal Year Research-status Report
ナノ回路設計のための実際的な高速アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
23500009
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 修一 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (30151814)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ / ナノ回路 |
Research Abstract |
今年度も沢山の重要な発見がありました. ・まず,2方向直交半直線交差グラフと他のグラフ族との関係を明らかにしました.すなわち,2方向直交半直線交差グラフは以下のグラフと同等であることを示しました:1)区間包含2部グラフ;2)限定耐性グラフの補グラフ;3)平行四辺形交差グラフの補グラフ. ・懸案の直交半直線交差グラフの特徴付けに関して進展がありました.我々は2方向直交半直線交差木の特徴付けをすでに得ていますが,これを発展させて直交半直線交差木のいくつかの特徴付けを明らかにしました.さらに,この特徴付けを用いて直交半直線交差木を認識するための線形時間アルゴリズムを提案しました.ナノPLA設計において重要である直交半直線交差グラフの部分グラフ同型問題に関しても進展がありました.上で述べた特徴付けを用いて直交半直線交差木に対すて部分木同型問題を解く多項式時間アルゴリズムを提案しました. ・最密k部分グラフ問題に関しても発見がありました.最密k部分グラフ問題に関しては,2部グラフに対してはNP困難であるが木に対しては多項式時間で解けることが知られています.我々は2部弦グラフに対しても最密k部分グラフ問題はNP困難であることを明らかにしました.また,直交半直線交差木のカット幅問題に対する線形時間近似アルゴリズムも提案しています. ・ナノPLA設計に応用する場合,直交半直線交差グラフの規模が膨大になるので,データ構造の工夫が不可欠です.我々は,大規模グラフの有望なデータ構造として知られているOBDD表現について考察しています.特に,直交半直線交差グラフのOBDD表現の大きさの上界と下界を導いて評価しています.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸案であった直交半直線交差グラフの特徴付け(必要十分条件)に関して進展がありました.すなわち,直交半直線交差木の様々な特徴付けを明らかにし,それを認識する線形時間のアルゴリズムを導きました. また,大規模な直交半直線交差グラフのためのデータ構造としてOBDD表現を提案しその大きさの評価をしています.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進める予定です.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
効率的に使用したために次年度使用予定の研究費がありますが,今年度未発表である研究成果を発表するための旅費として次年度に使用する予定です.
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