2011 Fiscal Year Research-status Report
大規模データ処理に向けたアルゴリズム設計理論の展開
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23500014
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
藤戸 敏弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00271073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 洋志 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80434893)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 近似アルゴリズム / オンライン問題 |
Research Abstract |
1.基本オンライン問題である古典的スキーレンタル問題を一般化した多状態スキーレンタル問題について,与えられたインスタンスに対し達成可能な最適戦略の競合比を最適競合比として定義する.本研究では,この最適競合比の下限は,プレーヤーの選択肢の数をk+1個とすると(k+1)**k/((k+1)**k-k**k)であり,よって,いかなるインスタンスに対し最適戦略をとっても,競合比はe/(e-1)より小さくできないことを示した.また,状態数を3つに限定すると上限は2.47であり,選択肢を4つに限定すると上限は2.75であることも示した.2.無向グラフ上で警官と泥棒の間でプレイされる,グラフ守衛問題に関する最適化問題について考察し,泥棒が木上を移動する場合について,既存結果を拡張し,Θ(log n)倍以下で近似可能であることを示した.3.任意のSteiner tree T は,根と葉以外にターミナルを含まない極大部分木に一意に分解できるが,それらのいずれもが高さL 以下であるとき,TをL 制限Steiner tree という.本研究では,有向グラフ上のSteiner tree (DST) 問題に対するグリーディ近似解法を新たに提案した.同解法は,最小L 制限Steinertree のコストをOPTL として,コストがO(Llog n)·OPTL 以下のDST を出力し,L が定数であれば多項式時間であることを示した.更に,同解法を用いることで,有向グラフ上のTree cover (DTC) 問題がO(log n) 倍近似可能であること示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「数理計画法による系統的設計法の開発」および「入力情報の局所的アクセスと確率的サンプリング」というテーマに着手する予定であった.その中で,貪欲解法は計算困難な最適化問題に対する最も基本的アプローチであるが,グラフ上のゲーム問題に対しても同アプローチの有効性を示すことができた.また,よく知られた未解決問題として,有向グラフのシュタイナー木問題の近似可能性があるが,従来からよく知られた貪欲アプローチをより柔軟に適用するに拡張した解法により,いくつかの関連問題に対し,厳密な意味で最良な近似精度を初めて達成することができた.一方,入力情報が部分的に時系列に沿って与えられるオンライン問題では,入力情報への局所的アクセスが強制される問題設定となっており,その中で,基本問題である古典的スキーレンタル問題を一般化した多状態スキーレンタル問題に対し,最適競合比の下限については完全に解明し,上限についてもいくつかの知見を新たに獲得することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24 年度以降も引き続き,工学的成果の検証を繰り返しながら23 年度の理論研究を並行して進めるが,そこでの結果を踏まえて次のテーマに着手する.「部分入力情報から高速計算可能な問題の構造解析」:現在,入力データ規模に依存しないサイズ(つまり,固定ビット数) の入力情報だけで,高精度解を算出できることが知られている問題は,グラフの最小全域木,最大マッチング,最大カット,施設配置などである[1, 2] が,そこで用いられる具体的方法は,局所探索法や貪欲法といった近似アルゴリズム設計での常套手段を基本骨格としている.勿論,これら骨格部分に上述「入力情報の局所的アクセスと確率的サンプリング」 の部分入力情報の獲得手段をうまく組み合わせることで,初めてこれまでの通念を覆すような計算結果を得ているわけであるが,より詳細に観察すると,対象問題に対して良い近似アルゴリズムとなりうるものが,骨格アルゴリズムとして選ばれている.そこで,(i) 局所探索法や貪欲法が高精度近似解法として機能する他の最適化問題に対する同様のアプローチの有効性(ii) 近似アルゴリズムにおける,他の汎用基本テクニックである確率的ラウンディングや主双対法の有効性について検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度ならびに次年度中に得られる研究成果を国内外で発表するための出張旅費を計画している.また,本プロジェクトでは,工学的産物に還元するに値するような理論的成果が得られれば,そのアルゴリズムをパッケージ化されたプログラムとして実現し,アルゴリズムデータベースの形で整備した上で一般公開することを計画しており,そのために必要な機器等も随時整えていく予定である.
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Research Products
(6 results)