2013 Fiscal Year Annual Research Report
大規模確率場における戦略獲得アルゴリズムの開発と特徴抽出
Project/Area Number |
23500017
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
向谷 博明 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70305788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 ふぁ 筑波大学, ビジネス科学研究科(系), 教授 (40253025)
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Keywords | Nash equilibrium / Pareto optimality / Stackelberg game / Stochastic systems / Markov jump systems / Numerical algorithm / Romania |
Research Abstract |
本研究では, 大規模なシステムのモデル構造の変動や様々な環境変化をマルコフジャンプ確率システムとして表現し,伊藤の確率微分方程式論によって,ナッシュ均衡戦略を求めることを目的とする. すなわち,停電等, 劇的パラメータ変動に対して頑強(ロバスト)な確率分散戦略の数値計算アルゴリズムの開発を行う. ここで, 特徴的な試みとして, 提案される確率戦略がナッシュ均衡状態だけでなく, パレート最適性も同時に満足することを明らかにする. 今まで得られた研究結果として, 提案された戦略を得るための非線形行列方程式を導出し, これらの方程式を解くための数値計算アルゴリズムの開発に成功している. 本年度は, ニュートン法による方法と凸最適化の手法に基づく二通りの方法について, 解を得るためのアルゴリズム並びに収束性の証明を完了した. また, 得られた確率分散戦略の有用性を検証するために,格好な例題としてマルチエリア電力システムを取り上げ, 数値シミュレーションを実施し,提案された理論の有用性の評価・検討を行った. その結果, 環境変化に頑強かつ安定した電力供給並びに消費コスト最小化が共に達成されることが示された. 特に, システムの構造が激変しても安定性が保証されることが確認された. 本年度は, さらに, マルチエリア電力システム以外に, 通信時間の遅延を考慮したワイヤレスネットワーク環境の等価モデルに対して, シミュレーションによって新規確率分散戦略の可用性も確認した. その結果, 通信容量の変化が起こっても, 安定性が確保される等, 当初目的である環境変化に対するロバスト性を有することが判明した. その他, ナッシュ均衡戦略やパレート最適戦略以外に, 階層戦略であるシュタッケルベルグゲームに関して,同様の特徴を持つ戦略も得ることに成功した.
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Research Products
(8 results)