2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500025
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 洋祐 東京理科大学, 理学部, 教授 (50257820)
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Keywords | ブーリアン・グレブナー基底 / 組み合わせ問題 / 数独問題の難易度 |
Research Abstract |
本質的に整数演算を含まないような組み合わせ問題の解法に焦点をしぼり、その解法のために必要な、可換代数の理論について、ブーリアン・グレブナー基底を中心に研究をおこなった。通常の体を係数とする多項式環における消去イデアルの計算を、グレブナー基底を用いておこなう場合、求めたい消去イデアルの変数に対して、それぞれ異なる項順序にたいするグレブナー基底を計算する必要がある。これにたいし、ブール多項式環においては、どのような項順序にたいしても、ブーリアン・グレブナー基底を一つ求めれば、それからただちにすべての変数にたいする消去イデアルが計算できることを証明した。これにより、ブーリアン・グレブナー基底が効率的な可換代数の手法であることが示された。計算機代数においてグレブナー基底と共に最重要アルゴリズムの一つであるトライアンギュラーセットのアルゴリズムに基づく方法では、このような計算は不可能なので、ブーリアン・グレブナー基底が現時点では最適な可換代数の手法であるといえることも判明した。 計算機代数の分野では、理論の構築だけでは研究は不完全で、その有効性を実証するためにプロトタイププログラムを作成する必要がある。検証プログラムの実装は、数式処理システムRisa/Asir上でおこなった。これを利用した、ブーリアン・グレブナー基底の計算だけを使った数独解法プログラムが公開されている。最終年度では整数演算を含む場合の解法をおこなう予定であったが、組み合わせ問題の典型的な例である数独問題の難易度の数学構造がブーリアン・グレブナー基底の理論を用いて数学的に記述でき、さらに計算できることが判明したため、この数学構造の計算のための検証プログラムの実装をRisa/Asirとその並列計算環境であるOpenXMを用いておこなった。研究成果は論文として執筆したが、時期的に間に合わなかったので、最終年度以降に発表していく予定である。
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Research Products
(4 results)