2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500031
|
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
王 立華 独立行政法人情報通信研究機構, ネットワークセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室, 主任研究員 (00447228)
|
Keywords | 準同型暗号 / 位置情報認証 / 秘密分散 / Threshold PKE / 耐量子攻撃 / 非可換暗号 |
Research Abstract |
課題1.ポスト量子暗号に関して,非可換暗号とLatticeベース暗号の研究調査を行った.特別の非可換代数構造下のConjugacy Search Problem (CSP)関連仮定に基づいて標準モデルのCPA/CCA安全性を満たすDHIES方式を提案し,論文誌Security Comm. Networksに掲載された. 課題2.クラウド環境の要件に応じる暗号に関して, 【位置情報認証】クラウド環境においては,ユーザ認証やアクセス制御にこれまで以上の安全性が要求され,位置情報や時刻など物理的な情報を組み合わせる手法も検討されている.このように位置情報を利用する場面が多々出現している状況であるが,位置の詐称をネットワークプロトコルで見破ることは難しい,という欠点もある.そこで位置情報そのものの正当性を示す認証方式が必要である.本研究では準天頂衛星及び地上放送の電磁波を利用して,準同型暗号による位置情報を認証するプロトコルを設計した. 【Threshold暗号方式】Threshold secret sharing schemeとpublic key encryption(TSSSとTPKE)は分散システムにおいて重要な暗号技術である. 本研究では,標準モデルの下で高い安全性を満たしつつ効率が良い方式の設計と評価を行った.具体的に,Hashed Diffie-Hellman仮定で,静的な結託攻撃に対してCCA安全な効率が良いTPKE方式,及び素数Orderのペアリングに基づいて,弱い動的結託攻撃に対してもCCA-like安全なTSSS方式を初めて設計し, The computer JournalとInternational J. of Distributed sensor networkに採録された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1ポスト量子暗号に関して,非可換代数構造上提案が採録され,Latticeベース暗号の研究調査も進んでいる. 課題2のセンサーネットワークやクラウド環境の要件に応じる暗号に関して、位置情報認証、Threshold PKEとSSS方式について研究を行った. 更に, 提案した「機密レベルに応じた処理が可能なIDベースプロキシ暗号系」を産学官連携のペアリングフォーラムで発表し, 応用について意見交換し, 実装のための設備を購入し, 適任の研究協力者と共同研究の体制を整えた. 誌上論文1本を発表し,3本採録された.そして, 最終年度の実装に向けての準備ができ、目標達成に向けて順調に進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
論文調査と学会参加によって最新情報収集と研究交流を実施し,メールベースや対面の研究打ち合わせなどの手段で当分野の研究協力者と共同研究することによって,計画を遂行するために,引き続きクラウドコンピューティング環境における新しい暗号学プリミティブの研究と量子攻撃を抵抗する潜在力を持つLatticeベース暗号方式の設計と分析を行う. また,提案した機密レベルに応じた処理が可能なIDベースプロキシ暗号方式の実装を行う.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は1,305,085円の使用見込み額があり,下記の計画通り遂行する予定である.その中5,085円は24年度図書を購入予定額だったが,洋書は購入まで時間がかかるため,25年度に追加購入をする予定である. 【物品費】実験用ソフトとデモ用端末(20万円);研究用図書など資料購入(5万円+5,085円) 【旅費】国内外研究打ち合わせ,学会参加ための旅費(65万円) 【謝金等】研究補助員人件費や英文校閲ための謝金(20万円) 【その他】学会参加費,通信費,成果発表するための別刷り代など(20万円)
|
Research Products
(6 results)