2011 Fiscal Year Research-status Report
Webコンテンツ転用防止のための耐タンパ性を備えたプッシュ配信技術の開発
Project/Area Number |
23500044
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大囿 忠親 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324475)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | Webプッシュ配信 / Webコンテンツ保護 / 耐タンパ性 / Webエージェント / Webインテリジェンス / Webアプリケーション |
Research Abstract |
本研究では、Web上でのプッシュ配信に基づくコンテンツ転用防止のための要素技術およびシステムを開発している。先行研究にて、効率の良いWeb上での疑似プッシュ配信技術(特許2件)を実現した。プッシュ配信技術を用いることで、人間にはコンテンツを配信するが、コンテンツを収集するプログラムにはコンテンツを配信しないようなシステムが実現を目指している。本研究により、より安全でより簡便に利用可能なWeb上でのコンテンツ転用防止システムが実現可能になる。 今年度は、動的なプログラムの生成に基づくプッシュ配信技術の開発に関連して、次の2つのサブテーマを実施した。 1つめのサブテーマとして、配信先に合わせて番組表を分割・最適化するためのアルゴリズムの設計およびその最適な実装方法について検討した。今年度は、先行研究では1つの番組表で全ての配信先を制御していたが、本研究では配信先をグループ化し、グループ毎の番組表をそれぞれ最適化するためのアルゴリズム、および、効率的な差分更新アルゴリズムを試作した。これにより、通信量の削減が可能になった。 2つ目のサブテーマとして、番組表とそれを解釈実行するプログラムを合成するためのアルゴリズムを設計した。先行研究では、番組表と番組表を解釈実行するプログラムをWebブラウザに配信することによりプッシュ配信を実現していた。すなわち、番組表のデータ形式、もしくは、番組表を解釈実行するプログラム、のどちらか一方が解析されるとコンテンツが転用される。プッシュ配信毎に異なるプログラムを生成することで、リバースエンジニアリングのコストを高めるために、複数のデコードプログラムのテンプレートからプログラムを生成する方法を試作した。 研究成果を、論文誌3編、および、国際会議3編として発表した。また、現在、関連する論文誌に1編(条件付き採録)、および、国際会議に2編投稿中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画として「動的なプログラムの生成に基づくプッシュ配信技術の開発」を予定しており、そのサブテーマとして、「配信先に合わせて番組表を分割・最適化するためのアルゴリズムの設計およびその最適な実装方法」、および、「番組表とそれを解釈実行するプログラムを合成するためのアルゴリズムを設計」を掲げた、「配信先に合わせて番組表を分割・最適化するためのアルゴリズムの設計およびその最適な実装方法」については,番組表を分割する方式,および,差分更新アルゴリズムの試作に成功し,成果を挙げることができた。「番組表とそれを解釈実行するプログラムを合成するためのアルゴリズムを設計」に関しては、予定通り今後の研究のベースラインとなる方式として,テンプレートに基づき番組表のデータをプログラム中の定数値として埋め込む方法、および、単純に番組表のデータおよび番組表の解釈実行部分をプログラムとして展開する方法、を試作済であり知見およびソフトウェア資産を順調に蓄積しつつある,今後の研究を予定通り進めることが可能である。本格的な評価実験のためのシステムの構築が遅れているが,ソフトウェアの開発は予定通りに進んでおり,機材さえ導入されればすぐにでも遅れを取り戻すことが可能である.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に試作したシステムの改良を行う.また、Webページ分割技術をプッシュ配信の効率化に応用することで、コンテンツの内容を考慮した差分更新の実現も検討する。ここで重要な点として、プッシュ配信におけるリアルタイム性を考慮した、実行速度と最適化の度合いのバランスの評価およびパラメータの調整が挙げられる。パラメータのバランスを調整するためのモデルを構築する。そのための準備として、JavaScriptにおける実行速度を精密に見積もるための基礎データを蓄積する予定である。 次に、耐タンパ性を向上させるために、平成23年度に試作したプログラムのテンプレートを細分化し、より解析が困難なプログラムを生成すると共に、個々のテンプレートに対する難読化を試みる。ここではプログラムの解析の困難さと、実行速度のバランスが重要である。実行速度に関しては、負荷生成装置を用いて、多数のコネクション下でのプッシュ配信のリアルタイム性について評価する予定である。そのための負荷発生装置の整備を進める予定である。負荷発生装置の整備に関する作業としては、先行研究にて開発済の負荷発生装置に対する計算機の追加および調整が必要となる。また、難読化について評価するために、自動生成したプログラムの解析の困難さを情報系の大学院生に評価させる予定である。これにより、リアルタイム性、および、解読の困難さのバランスの取れた、プッシュ配信システムの実現に向けた知見およびソフトウェア資産の蓄積が可能になる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に購入予定の負荷発生装置に関連する備品に関して,製造元の遅れにより年度内の調達が不可能になったため,平成24年度に導入する予定ある.
|