2013 Fiscal Year Annual Research Report
全ペアテストによる高効率なソフトウェアテストの実現
Project/Area Number |
23500046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土屋 達弘 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (30283740)
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Keywords | ソフトウェアテスト / 全ペアテスト / カバレッジ |
Research Abstract |
本研究では,2機能間のインタラクションをすべてテストするという全ペアテストと呼ばれるテスト手法に関して,その拡張を試みることで,不具合発見に関する高い能力と効率を両立させるソフトウェアのテスト手法の実現に取り組んだ.具体的には,(1)全ペアテストのテストケース生成の自動化,および,(2)全ペアテストのホワイトボックステストへの拡張,という二つのサブテーマを並行して進めた.(1)においては,これまで課題とされていた禁則処理に関し,当初は,計画にそってSATソルバを利用して禁則処理と良好なテストケース生成を同時に行う手法を提案した.禁則とは,実行のために各テストケースが違反してはいけない特性のことである.2年目以降,新たに二分決定グラフを用いる手法を考案したところ,SATソルバを用いる手法よりも,より効率的に禁則処理が可能であることが分かった.これは,毎回解空間探索を行うSATソルバに対し,二分決定グラフを用いる方法では,一度禁則をグラフとして表現しておけば,根から葉までグラフを辿ることで,テストケースが禁則に違反するかどうかを判定できるためである.本研究では,この手法を実装した全ペアテストケース生成ツールを作成した.最終年度では,テストを重点的に行いたいパラメータへの重み付けなどの拡張方法の開発も行った.(2)に関しては,プログラムの制御グラフだけでなく,UMLの状態マシン図等も含めて,システムの制御フローを表現するグラフを対象として,異なる2頂点を網羅するノードペアカバレッジ,2辺を網羅する辺ペアカバレッジという新しいテスト基準を提案した.そして,これらの基準が頂点網羅や辺網羅という従来の基準を包摂する関係にあることを示した.また,モデル検査とよばれる検証手法を援用することで,これらの基準を満たすテストケース集合を自動的に生成する手法を提案した.
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