2013 Fiscal Year Annual Research Report
オフショア・ソフトウェア開発支援のためのリスク管理
Project/Area Number |
23500049
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辻 洋 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50347506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 亮介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10509178)
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Keywords | リスク管理 / オフショアソフトウェア開発 / 国際情報交換 / 国際研究者交流 / 成熟度モデル / データマイニング |
Research Abstract |
オフショアソフトウェア開発(海外の企業にソフトウェア開発を外部委託すること)を支援するための知識管理技術の構築をめざし、研究をとりまとめた。最終年度として、前年度に実装したプログラムを用いて、収集したデータから知見を取り集めた。なお、この分析については海外研究者を招へいすることにより意見交換を行いながら進めた。 (1)外部委託するうえで成熟すべき能力としてJEITAの成果をもとに12項目定義した。(例:オフショア開発の目的設定、オフショア開発の進捗管理)。そして各能力について水準を5個設けた。(例:1=定義されていない、2=試行的に実施されている、3=失敗経験から効果を探し求めている、4=失敗と成功経験から効果を確信している、5=リスクを勘案して戦略的に実施している) (2)社会実験を通して、78件の有効データ(プロジェクトマネージャの評価)を収集し、SPICEと呼ぶ知識管理システムでリスクの分析と評価を実施した。SPICEを用いて、個々のプロジェクトマネージャの成熟度の成長履歴の可視化、全プロジェクトマネージャの成長履歴と現在位置との対応の可視化、多くのプロジェクトマネージャの成長履歴から成長の順序(どの能力をどのレベルからどのレベルにあげることを優先すべきかなど)を自動抽出を行った。 (3)成長履歴から成長の順序に関する制約を抽出したところ、28の制約を見出した(全組み合わせは66通り)。例えば、「目的設定のレベル5に成熟するには、事前に進捗管理のレベル2に成熟しておかなければならないが、他にはこの二つの能力間に制約はない」などという知識が得られた。 今後の課題は、能力が多数存在する場合も同時には二つの能力の間の制約しか評価できていないので、その制約を外すこと、成長履歴に関して、レベルアップの順序関係しか評価していないので、レベルアップに要した時間を考慮することなどである。
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Research Products
(7 results)