2012 Fiscal Year Research-status Report
クラウド環境におけるメニーコア向け省電力仮想マシン・スケジューラ
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23500050
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河野 健二 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (90301118)
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Keywords | 仮想CPUスケジューリング / 仮想マシン / マイグレーション / 省電力 |
Research Abstract |
本研究の目的はクラウド環境のための省電力化技術を確立することである.特に,多数のコアをひとつのチップに集積したマルチコア/メニーコアと呼ばれるCPU を対象とし,仮想マシン(Virtual Machine; VM) 技術を応用した省電力化技術を確立する.特に,仮想マシンマイグレーションによる大域的スケジューリングと,物理計算機上の仮想 CPU スケジューラによる局所的スケジューリングとを組み合わせた方式を実現する. 本年度は,大域的スケジューリングに関していくつかの成果を挙げることができた.ひとつは,地理的に分散した複数のデータセンタから構成されるクラウド環境を対象としたものであり,地理的条件の違い等から生じる余剰電力の違いに着目し,余剰電力の多い地域に仮想マシンを移送する方式の提案を行った.また,主に昨年度に行ったネットワーク機器も考慮したクラウド内省電力大域スケジューリング方式について,より詳細なシミュレーションによる評価を行った. 局所的スケジューリングのために,メニーコアのアーキテクチャを持つ GPGPU を対象としその仮想化に着手した.GPGPU は数値計算などの分野で広く使われており,GPGPU まで視野に入れた省電力スケジューリングが必須になると考えている.仮想化環境で GPGPU を用いるためには,その前段階として GPGPU の仮想化を行う必要があり,今年度はその仮想化のための作業を行った.GPGPU はその詳細が公開されていないものの,現段階で仮想化にほぼ成功しており,来年度以降の研究に対して筋道をつけるところまで進めることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展しているといってよい.大域的スケジューリング方式に関しては,昨年度の段階ですでに実装・評価まで進み国際会議にも採録されている.今年度はその結果をさらに進展させ,国際会議への採録,雑誌論文への投稿などを行うことができ,予想以上の進展をみせている. 一方で,局所的スケジューリング方式に関しては,昨年度末にメドがたったと考えたものの,省電力を達成氏よとすると処理速度が極端に低下することとなり期待した結果が得られているとは言い難い.しかし,GPGPU を仮想化するというメニーコアに向けた作業は順調に進んでおり,両者を勘案するとおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
局所的スケジューリング方式に関しては,メニーコア環境に向けたスケジューリング方式を研究・開発するための前段階の作業がほぼ完了しており,来年度以降,メニーコア環境でのスケジューリング方式について大きな成果が得られるであろうと期待している. 大域的スケジューリング方式に関しては,これまでにほぼ予定していた程度の研究成果を得られたと自負している.これまでの研究成果のとりまとめを行い,来年度は研究期間の最終年度であることもあり,雑誌論文への投稿など成果をまとめる方向に注力したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度は主に局所的スケジューリング方式の評価実験のための環境整備および実験データの保管・管理・分析のために必要となる諸機材,ソフトウェア等の購入に研究費を利用する予定である. 「次年度使用額」に関しては,当初予定していた機材が想定価格よりかなり安く購入することができたために生じたものである.局所的スケジューリング方式の評価には新たな機材が必要となるものの,この残額では購入することができず,次年度の予算に合算して使用する方が研究費の有効活用につながると判断した.
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Research Products
(2 results)