2011 Fiscal Year Research-status Report
Green-by-ITのためのドメイン特化型フレームワークの研究
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23500052
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
中所 武司 明治大学, 理工学部, 教授 (70257129)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報システム / ソフトウェア学 / 環境技術 / green-by-IT / フレームワーク |
Research Abstract |
持続可能な社会実現の一環として,IT技術の適用により資源の節約や環境保全を達成する Green by ITを促進するために,本研究では,日常生活の中でのエコ活動に有用なシステムをその担当者自身が実現できれば大きな効果が期待できるという観点から,エンドユーザ主導開発のキーとなるWebアプリケーション開発のためのドメイン特化型フレームワークの研究を実施している. 23年度は,まず,ドメイン特化型フレームワークを前提としたモデル定義技法を確立するために,不用品交換システムを例題アプリケーションとして取り上げ,ユーザインタフェースとデータベース管理とその間に位置するビジネスロジックを明確に分割した3層アーキテクチャで構成するプログラムを開発した. ユーザインタフェースについては,JSPを用いて実装後,JavaScriptを使ってHTMLをダイナミックに作成できるように改良した.ビジネスロジックについては,JSPごとに1つのロジッククラスを対応させるとともに,ロジックから画面へ渡す情報をJSON形式データとすることにより,JavaScriptのAjax技術を用いてデータを簡単に解析できるようにした.データベースアクセスについては,SQL文を事前に作成し,propertiesファイルに格納するとともに,データベースへの操作結果をJSONオブジェクトに変換し,画面に渡すようにした. そして,今年度のもう1つの課題である,ドメイン特化型フレームワークから汎用フレームワークへの変換技法を確立するために,ビジュアルツールを試作した.今回の研究では,エンドユーザ主導開発を想定しており,Webアプリケーションの外部仕様をエンドユーザ自身が作成しなければならないので,このビジュアルツールには,GUI仕様設計,ビジネスロジック作成,業務用のDB設計,の三つの基本機能を備えるようにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度には,2つの課題をマイルストーンとしてかかげ,その目標を概ね達成できた. まず,第1の課題であるドメイン特化型フレームワークを前提としたモデル定義技法を確立するために,不用品交換システムを例題アプリケーションとして取り上げ,そのプログラムを開発するとともに,このプログラムをベースにドメイン特化型フレームワークの基本部分を抽出した. 次に,第2の課題であるドメイン特化型フレームワークから汎用フレームワークへの変換技法を確立するために,Webアプリケーションの外部仕様をエンドユーザ自身が作成できるように,汎用性のあるビジュアルツールを試作した. 以上の研究成果は,国内の学会の研究会および国際会議で発表した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,23年度の研究成果を踏まえて,以下の研究課題に取り組んでいく.(1) ドメイン特化型フレームワークに基づくビジュアルモデリングツールと変換ツール開発 初年度に開発した技法と研究試作プログラムをベースに,エンドユーザ(業務の専門家)自身が外部仕様を定義できるようなビジュアルモデリングツールを開発する.(2) 適用実験と実現可能性の評価および改良開発した技法とビジュアルツールを用いて,実用レベルの身近なWebアプリケーションの開発実験と評価と改良研究を行なう.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度使用予定の研究費については,年度末に予定していたプログラム開発のための謝費50,900円(約39時間相当)が次年度に繰り越しとなったが,この研究費については24年度使用予定の謝費のための研究費と合わせて年間を通じて計画的に使用していきたい.
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