2014 Fiscal Year Annual Research Report
符号の状態に応じて適応的に動的再構成を行うCABACコーデックアーキテクチャ
Project/Area Number |
23500064
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
小椋 清孝 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (90275371)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | CABAC / H.264/AVC / 復号回路 / decoder |
Outline of Annual Research Achievements |
H.264における画像のブロック残差信号(係数値)をターゲットとしたCABAC復号処理について、次に出現する係数値を予測し、あらかじめ投機的に区間計算を行って処理を高速化する方法について検討を行ってきた。 CABAC処理時、ブロックの処理開始時に係数値"1"の出現頻度が高いことはDCT変換および量子化のプロセスを考えると容易に予想される。そこで、いくつかのサンプル動画データの係数値分布解析を行い、出現確率の定量値を求めた。その結果、ブロック処理の最初に”1”が出現する割合(該当するブロック数と全ブロック数の比)は、平均して87%程度となった。同様に”1”が3回連続して出現する確率は49%程度となった。これらの係数値分布について、画像の種類に依る違いは見られなかった。 以上の結果から、画像の種類によって適応的に投機構成を変更するという手法は難しいという判断を行い、処理手法の変更を検討した。まず、ブロック先頭では、"1"、"2"、"3”といった比較的小さな係数値の組合わせを予測してCABACの区間計算を投機的に行い、1サイクルで複数のシンボル(係数値)を処理する”マルチシンボル復号回路”を置き、一方で、すべての係数値の組み合わせをマルチシンボル復号回路に組み込む事は困難なため、大きな係数値用に、1サイクルで1シンボルを処理可能な”1シンボル復号回路”も同時に配置し、これらを並列で動作させる構成とすることとした。各回路の設計を開始し、1シンボル復号回路については、正負符号処理および正規化処理を省いたプロトタイプの設計を行い、基本動作の確認を行った。 実際の符号分布の結果が予想とはかなり異なっていたため、当初の研究実施計画からかなり研究の進行が遅くなり、結果として研究期間中に満足した結果を出すことができなかったといえる。今後も引き続き実装を進め、提案構成の評価を行う予定である。
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