2012 Fiscal Year Research-status Report
FPGAの動的部分再構成機能を利用した組合せ問題に対する高速ハードウェア解法
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23500066
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
若林 真一 広島市立大学, 情報科学研究科, 教授 (50210860)
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Keywords | FPGA / 動的部分再構成 / 組合せ最適化 / パターンマッチング |
Research Abstract |
研究代表者らはネットワーク侵入検知のための正規表現マッチングの研究を行っており、これまでに多くの研究業績を挙げている。我々が提案しているマッチング手法は1次元シストリックアルゴリズムと非決定有限オートマトンを組み合わせるものであり、実行時にパターンを設定可能という特長を持つ。本年度の研究においては、パターンで用いることが可能な正規表現演算子として先読み演算を許すようにマッチングハードウェアハードウェアを拡張し、実験的に評価した。また、ハードウェア資源の有効利用を目的として、FPGAの部分再構成機能を利用したコンパクトな回路実現手法を提案し、実験的に評価した。さらに、シストリックアルゴリズムとは異なる2次元セルアレイの構造を持つマッチングマッチングハードウェアを提案した。 さらに、研究代表者らが昨年度、開発した最大クリーク問題に対するインスタンス依存ハードウェア解法についても、前処理であるグラブ分割を改善することでより大規模なグラフに対しても提案手法が適用可能になることを実験的に検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正規表現マッチング問題に対しては、先読み演算子を導入することでパターンとして許される正規表現の拡張を行うと共に、当初、研究計画で予定していたように、動的部分再構成機能を利用したマッチングアルゴリズムの開発を行った。また、組合せ問題(最大クリーク問題)に対するFPGAを用いたハードウェア解法についても研究を進展させた。本年度は正規表現マッチング問題と最大クリーク問題に注力したため、SAT問題に対する研究は行っておらず、この点が当初の研究計画と異なるが、概ね研究計画どおりに研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は研究計画の最終年度となるため、正規表現マッチングアルゴリズムについてはネットワーク侵入検知システムへの適用について考察し、実用上の観点から評価する。また、最大クリーク問題とSAT問題に対するハードウェアアルゴリズムについては、並列アルゴリズムとしてのさらなる改良を行うと共に、FPGAの動的部分再構成機能の利用方法をさらに工夫し、一層の計算時間の短縮とハードウェア資源の削減を実現する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
FPGA実験環境の充実と実験データの整理のために、パーソナルコンピュータ(ノートパソコンを含む)を新たに購入する予定である。また、研究成果の発表のために、国内外の出張旅費を支出する予定である。そのほか、実験データの整理のための謝金を支出する予定である。
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