2011 Fiscal Year Research-status Report
間欠動作型故障検出システムを用いたアナログ混載LSIの高信頼化
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23500067
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
橘 昌良 高知工科大学, 工学部, 教授 (50171715)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ディペンダブルコンピューティング / Build-In Self Test / Analog Mixed Signal / カタストロフィック故障 |
Research Abstract |
本研究はAMS(Analog Mixed-Signal)システムLSIのアナログ回路の故障検出をシステムの動作中にも行える機構の開発を主たる目的としている。その目標はシステムが動作中であるが検査対象となるアナログ回路の動作を必要としない時間帯を利用して、テストを進めることでシステムの動作状態での動作異常の検出を行うことのできるシステムを提案し、LSI化によりその有効性を実証することである。この方式によれば、異常の発生した回路をあらかじめ用意されている正常な回路と切り替えることで、システム全体の信頼性を向上させることができる。 平成23年度には、モチーフなるDAコンバータと差動型のサンプルホールド回路について,テスト信号発生回路と動作状態を監視するプローブ回路、および、その出力から動作異常を検出する故障検出回路を設計し、故障を組み込んだ状態の回路についてシミュレーションを行い、実際に動作異常を検出することができるかを確認した。DAコンバータは、システムレベルでアナログ回路のBISTを行う際に必要となる基準電圧をテストする回路の要求にあわせて生成するために使用するのを主目的とした回路で、チップ内でテストが完結することが今後のシステムレベルのテスト方式の検討に極めて重要な役割を果たすものである。差動型のサンプルホールド回路は差動型のオペレーショナルアンプとスイッチ・キャパシタ回路を組み合わせた構成であり、スイッチ・キャパシタ回路全般のテスト方式についてある程度の目処を付けることができた。 上記のテスト方式は、回路のインパルス応答に基づいた致命的(カタストロフィック)故障の検出を主目的としたもので、回路のRC素子については、ある程度のパラメータ故障の検出が行われるよう考えられている。以上の研究結果については、国際学会での発表が2件、論文は2件が投稿中、投稿準備中が1件である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画ではAD/DAコンバータについての故障検出方式の検討と実チップによる有効性の実証を行う予定であった。DAコンバータについては計画通りに研究が進められたが、ADコンバータについては検討が終了していない。一方、差動型のサンプルホールド回路についての研究により、24年度以降の予定であったスイッチ・キャパシタ回路の故障検出方式について目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究結果を踏まえて、ADコンバータ、スイッチ・キャパシタ回路と基準電源回路の故障検出方式の検討を行い、回路設計およびシミュレーションによる検討を行った後、LSI化を行い有効性の実証を行う。さらに、BISTシステム全体構成の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
VDECを利用したLSIの試作を3回予定している。これには1回あたり約35万円程度必要である。さらに試作したLSIの動作確認用基板作成のために約5万円を使用する予定である。
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