2012 Fiscal Year Research-status Report
LSIの高速実動作テストを実現するテストパターン生成法に関する研究
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23500068
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
浅川 毅 東海大学, 情報理工学部, 准教授 (00384850)
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Keywords | VLSI / 高速テスト / テストパターン生成 / LSIテスター |
Research Abstract |
本年度は,前年度で定めたテストパターン生成方法を発展させ具体化するために以下の研究を遂行した. (1)高速テスト用プロセッサのアーキテクチャの開発 効果的なテストパターン生成を遅延なく実速度でテスト行うためのプロセッサを提案し,その開発に着手した.プロセッサの最重要課題であるテストパターン生成部についてアーキテクチャを決定して設計を行った.新たに提案するディレイドクロック制御方式を用いてタイミング生成を行った.その結果,プロセッサの命令デコーダより配信されるビット列に従ってすべての出力信号のタイミングの独立制御を実現した.プロセッサの中心部分の開発は完了している. (2)FPGAへの実装とLSIテスターとの比較 FPGA(Xilinx-Virtex3)を用いて開発したプロセッサ(タイミング生成部)を実装し,前年度に構成しているテスト対象回路に対してパターンテストを行った.シミュレーションレベルでの正常動作を確認した.また,比較対象として,LSIテスタを用いたテストを行った.その結果,提案するプロセッサはLSIユーザが行っている受け入れテストや既存のLSIテスターの性能向上に活用できることが明らかにされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の目標は,高速実動作テストのための必要テストベクトル量の縮小と低消費電力化であった.昨年の課題であった系列を生成するTPG構成については,高速テスト用プロセッサを提案し実現することができた.また,提案方式の場合,生成されるテストベクトルは,プロセッサのメインメモリに格納される命令群より作り出されるため,研究当初に想定していたTPGが抱えるベクトル量や消費電力の影響は少なくこれらの課題は解決できたと判断する.研究自体はおおむね順調であるが,学会等での発表実績が少ないため,「やや遅れている」と自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
早い段階で,提案する高速テスト用プロセッサの設計を完了させ,FPGAに実装して実テスト評価を行う.その結果を学会等で広く公表し,さらなる研究の発展に繋げる.研究体制を研究補助員2名,大学院生3名,大学院生候補2名に増員して研究ピッチを上げる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・電子部品・材料費:提案方式の試作,実装,評価に使用する.開発したテスト手法を評価するため,評価ボード,評価のためのライセンスを購入する. ・国内旅費:方式やアルゴリズム調査(1回)及び成果発表(2回程度) ・外国旅費:国際会議での発表(1回) ・謝金:研究補助員(2名)を臨時雇用して,ハードウェアの開発と評価を進める. ・印刷費:論文や研究会発表の印刷 予算範囲に使用を抑えた結果,次年度へ繰り越し研究費(約5万円)が発生した.
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