2012 Fiscal Year Research-status Report
メムリスタを含む回路の動作解析とメムリスタの応用に関する研究
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23500072
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
大槻 正伸 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20203846)
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Keywords | メムリスタ |
Research Abstract |
本研究は、メムリスタとよばれる、電流が流れるとその抵抗値が変化する電気回路素子の応用等についての研究である。 H24年度は、メムリスタを用いて、通常のコンピュータシステムに組み込める形式の、不揮発性の多値メモリシステム構築方法を明らかにすることができた。この成果は研究紀要の論文として発表した。 また、次の応用として、メムリスタを用いて「可変論理回路システム」を構築することができることを明らかにした。これは、n入力の組み合わせ論理回路であるが、配線は一定で変化せずに、内部メムリスタの抵抗値を変化させることにより、それぞれの論理素子(AND,OR,NOT,NAND,NOR等)を自由に調整できるようなシステムである。そしてこの論理回路システムは、教師信号により自動学習もできるものと期待される。 この研究により、一回設計し構築したハードウェアに設計ミスが発見された場合でも、回路素子を変更することにより、ハードウェアの設計ミスを修正できる可能性がある回路システムが実現できる。すなわち、ある程度「柔らかいハードウェア」の実現が期待できる。 この成果はH25年度に論文として発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度終了時の予定では、(1)メムリスタを用いた新たなアナログ計算機の構築方法の研究、(2)メムリスタを2値でなく、多値メモリ素子として使用した、多値メモリシステムの構築方法の提案、さらに、(3)メムリスタをニューラルネットワークの部品として使用した学習装置の構築方法についての研究を行うこととしていた。 実際にH24年度は、主にメムリスタを用いた不揮発性多値メモリの構成法について明らかにした(上記(2)が達成された)。 さらに、メムリスタを用いた可変論理回路の構成法もおおよそ明らかになった。 これを教師信号により自動的に論理回路学習をする回路まで発展させられれば(3)が達成される(この部分に関しては現在研究中である)。したがって、おおむね予定していたとおりのことが実施できたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は、今までの研究内容をさらに発展させ (1)メムリスタを用いた可変論理回路の構成法とその学習法について (2)メムリスタを用いたアナログコンピュータ、または制御コンピュータの構成の基礎的考察 について研究を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は、当初の予定通り主として消耗品(プリンタインク、コピー用紙、大型プリンタのロール用紙等)の購入、パソコンの周辺機器(プリンタ)等の更新に使用する予定である。
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