2013 Fiscal Year Annual Research Report
メムリスタを含む回路の動作解析とメムリスタの応用に関する研究
Project/Area Number |
23500072
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
大槻 正伸 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20203846)
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Keywords | メムリスタ / 不揮発性メモリ / 多値メモリ / 可変論理回路 |
Research Abstract |
メムリスタとよばれる、「電圧を印加し電流が流れると抵抗が変化し、電圧印加を中止するとその時点での抵抗値を記憶する素子(大きさは10[nm]程度といわれている)」の応用に関する研究を行った。今回の研究の成果は次の3点である。 (H23年度)抵抗値は連続的に変化するが、最小抵抗の状態を0、最大抵抗の状態を1と定義することにより、メムリスタを用いて2値の記憶素子が構成できることを示し、実際に現在の通常のコンピュータに組み込める形までの設計法(S-RAMライクなメモリ設計法)を提案できた。これは、従来より集積度の高いS-RAMが構成できる可能性を示唆している。 (H24年度)抵抗変化の連続性を利用し、メムリスタを用いて現在のコンピュータシステムに組み込める形での多値メモリ設計法(S-RAMライクなメモリ設計法)を設計する方法を提案できた。これにより、1つの素子で多値が記憶できるため、(1)に比べ、さらにメモリとしての集積度が上がる可能性が示された。 (H25年度)最後に、メムリスタを用いて「可変論理回路」を構成する方法を明らかにした。通常、ハードウェア(組み合わせ回路、順序回路等)は、一回LSI等として製作してしまうとその働きは変更できなくなる。すなわち製作後設計ミスがわかった場合は通常設計し直しとなる。本研究では、メムリスタを用いて、製作後もその計算機能を変化させられる「可変論理回路」の設計法を明らかにした。これも、通常のコンピュータに組み込め、通常のCPUにより、その機能が制御できるシステムとしての設計法を明らかにした。そしてこのシステムは、従来提案されていた可変論理回路よりもはるかに制御信号数(LSAで構成する場合のピン数)が少ないため、既存のニューラルネットワーク等と組み合わせることで、様々な論理計算の機能を学習できる回路として用いることができることが明らかになった。
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