2013 Fiscal Year Annual Research Report
ITS用通信シミュレータによる車車間・路車間通信プロトコル開発
Project/Area Number |
23500087
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高木 由美 神戸大学, システム情報学研究科, 助手 (70314507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 能 神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (10272254)
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Keywords | 車車間通信 / フラッディング / アドホックネットワーク |
Research Abstract |
近年、車車間通信の応用として、市街地での事故や災害などを対象とした、緊急情報配信が検討されている。そこで本研究では、昨年度に引き続き、情報配信方式の一つであるフラッディング方式(情報を受信した車両は、条件によって最大1度だけ受信情報を転送する)に着目した。 市街地では、車両の進行方向に対し、建物などの遮蔽により交差点を曲がった道路(以降、交差道路と呼ぶ)側の車両に情報伝搬しにくいという問題がある。これは、地図情報を活用することでかなりの改善が見込めるが、全車両が地図情報を持つ必要があるため、本研究では、地図情報なしに交差道路への情報配信を効率良く行う方式の実現を目指した。そのために、昨年度提案した方式(情報を転送した車両からより遠く、かつ交差道路に位置する車両から、受信情報を早く転送する)に、同じ情報を複数回受信したときの機能を追加した。具体的には、最初に受信した情報の送信元、同じ情報を送信した車両、かつ自車両の位置関係において、(1) 送信車両間に自車両が位置する時は、自車両の転送の有無を判断、(2) 送信車両間に自車両が位置していない時は、転送する、という機能である。そして、本方式と従来方式を商用シミュレータ Scenargie にて評価し、配信率と配信時間に関し、本方式の優位性を確認できた。 さらに、隣接する車両数とネットワークの負荷により、自律的に受信情報の転送可否を決定する、負荷適応型フラッディング方式に関しても検討した。これに関してはまだ方式の提案段階であるが、上記の提案方式に組み込むことで、冗長な転送が抑制され、限られた無線資源が有効に活用されることが期待できる。このように、本提案方式と負荷適応型フラッディング方式の組み合わせにより、市街地における事故や災害の発生情報が、周辺車両へ即座にかつ確実に配信されることで、渋滞や二次災害の発生が抑制されると考えられる。
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