2012 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク上の資源共用における情報の不完全性/非対称性を考慮した需給調整最適化
Project/Area Number |
23500090
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
内田 真人 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (20419617)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 秀明 九州工業大学, ネットワークデザイン研究センター, 准教授 (50532280)
塚本 和也 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (20452823)
|
Keywords | 新世代ネットワーク / 資源共用 |
Research Abstract |
課題ア:個別の利用者がネットワーク上に提供する資源を不特定多数の利用者間で共用するという特徴を持つシステム(P2Pデータストレージシステム等)を対象とし,そのシステム上での資源取引におけるマクロ的(平均的)な需給関係を表現できるユーザ行動モデルについて検討した.この結果,平成23年度に検討したユーザ単位でのミクロ的な需給関係モデルでは表現できなかったシステム全体における需給関係の挙動を,本研究で対象とするシステム形態に対して広く適用できる汎用的な計算手続によってモデル化するための基本的な枠組を構築できた. また,個々の利用者が無線周波数資源を不特定多数のプライマリユーザとセカンダリユーザ間で共有するコグニティブ無線ネットワークを対象とし,周波数資源の需給関係を調整するチャネル選択手法の拡張を行った。この結果,平成23年度に検討した限定的なユーザ行動(移動)パターンにおける需給関係の挙動を,汎用的なユーザ行動パターンに対応可能な手法に拡張し,基礎評価を通じて手法の汎用性向上を確認した。加えて,トランスポート層で扱うデータとACKの非対称性に着目し,広帯域PLCと狭帯域PLCの特性を活用する手法を提案し,有効性を明らかにした. 課題イ:平成23年度では,本研究で対象とするシステム形態における資源配分の決定問題をシステム運用者及び利用者からの多様な要求を考慮した複数の目的関数と制約集合からなる最適化問題として定式化し,その問題に関するシステム運用者主導の制御手法を提案した.平成24年度では,平成25年度に検討するシステム利用者主導の制御手法を実現するための基礎検討を行った.特に,平成23年度に検討した最適化問題が,各システム利用者のもつ目的関数と制約集合から成る部分最適化問題の合成として表現できることを明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題ア:平成23年度に検討したユーザ単位での需給関係を表すユーザ行動モデルから,システム単位でのマクロ的(平均的)な需給関係を表すユーザ行動モデルを導出するための基本的な枠組を構築することができた.これは,本研究で対象とするシステム形態(P2Pデータストレージシステム等)に共通する特徴を踏まえたものであるため,汎用的な需給関係モデルの構築に資するものである. また,平成23年度に検討した無線周波数資源の需給関係を調整するためのチャネル選択手法を適用可能なユーザ行動(移動)パターンをさらに拡張するための改善手法を構築することができた.これは,本研究で対象とするコグニティブ無線システムの特徴を踏まえたものであるため,汎用的な需給調整手法の構築に資するものである. 課題イ:平成23年度に検討した資源配分最適化問題に関するシステム利用者主導の制御手法の基礎検討を行い,各システム利用者が解くことができる部分最適化問題の合成が資源配分最適化問題と一致することを示した.この結果,全システム利用者が協力して最適な資源割り当てを決定できる手法の具体的かつ詳細な検討を平成25年度に行うことが可能となる. 以上に示す通り,課題ア,イの双方について,当初の予定通り研究が進捗している.
|
Strategy for Future Research Activity |
課題ア:平成24年度までに検討してきたミクロ的/マクロ的な需給関係モデルの挙動や,本研究で対象とするシステムにおける資源共用の挙動が,システム運用に用いることのできる情報の特性等によってどのように影響を受けるかを調べる. 課題イ:平成24年度に検討した結果を踏まえ,システム利用者主導型による需給関係の調整に適した手法を提案するとともに,その有用性を検証する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ほぼ計画通りに研究費を使用している.平成25年度は,シミュレーション評価を行うための高性能パソコンを追加購入するための経費,研究会等での研究成果発表をや研究調査を行うための旅費として研究費を使用する.その他,本研究を進める上で必要となる各種機器や資料等を購入するための費用としても使用する.
|
Research Products
(7 results)