2011 Fiscal Year Research-status Report
無線マルチホップネットワークの弱い層間連携による高効率通信技術
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23500092
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北須賀 輝明 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (70343332)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報システム / 無線通信 / モバイルネットワーク / 分散アルゴリズム / 確率的手法 |
Research Abstract |
MANET (mobile ad-hoc network)やVANET (vehicular ad-hoc network)などの移動無線端末で構成される無線マルチホップネットワークは,無線媒体を用いた通信であり,端末がそれぞれ任意に移動することからリンク品質の時間変化が大きい.本年度は,無線マルチホップネットワークにおける経路近傍端末による確率的再送制御方式を提案し,この方式が車車間通信においても有効であることをシミュレーションで確認した.あわせて,OLSR経路制御プロトコルを対象に経路制御メッセージ数の削減について検討した.1. 経路近傍端末による確率的再送制御方式は,データリンク層で行われるホップごとの再送信制御を効率化するものである.通常はリンクの送信端末が受信端末に対して再送するが,提案方式では,通常の再送の前に,送信端末と受信端末のどちらのパケットも受信しやすい近傍の端末が再送する.複数の近傍端末が存在する場合にもおよそ1台の近傍端末が再送するように,それぞれの端末が再送に適しているか否かを自律的に判断する.そのため,あらかじめ定期的に各端末がビーコンを送受信することで端末間のパケット受信確率の情報を交換する.2. 確率的再送制御方式が,車車間通信においても有効性であることをシミュレーションで確認した.経路制御プロトコルにはAODVとOLSRを用いた.車両の最高速度を変化さたところ,パケット到達率が3%程度向上する場合があることが確認できた.3. OLSR経路制御プロトコルを対象に,経路制御メッセージ数の削減について検討した.削減対象は,ネットワーク上のすべての端末に届けられるメッセージであるトポロジ制御(TC)メッセージである.ネットワークの端末密度と,すべての端末に届ける際にメッセージを再送信する端末(マルチポイントリレー)数の関係を調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データリンク層で主体的に行う確率的再送制御方式の効果が確認できた点は順調といえるが,経路制御層との連携に関する検討が十分とはいえない状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションによる提案手法の有効性の確認を継続する.パケット損失率や通信速度,経路制御トラフィック料,端末内で経路制御にかかる計算量について評価する.また,多様な経路制御プロトコルや,複数ビットレートに対応したデータリンク層への拡張について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度未使用額は,既存の計算機を利用して研究を進めたことで生じたもので,主にシミュレーション用計算機の購入費である.研究を進めるあたって,シミュレーションの実行速度と同程度に,シミュレーション結果の整理のための外部記憶装置の容量不足が心配されるため,次年度は,外部記憶装置などの物品購入に充てる計画である.
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