2012 Fiscal Year Research-status Report
不安定な通信環境下で使用可能なセンサノード投げ込み型無線センサネットワークの研究
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23500095
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
宮崎 敏明 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (70404895)
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Keywords | センサネットワーク / ユビキタスコンピューティング |
Research Abstract |
全てのセンサノードの位置が既知であるという前提で、複数基地局(シンク)が存在するときに、各センサノードがセンシングデータを搭載したパケットを,どの基地局に、どの経路を使用して送達するべきかを決定する自律分散型ジオメトリックルーティング法を考案した。考案した手法は、我々が過去に開発したネットワークの安定度合いに応じてパケットのFlooding方向を動的に変更するマルチシンクパケット転送法を改良し、位置情報から算出した基地局への距離と隣接センサノードへのリンクの安定性という2つの尺度により、唯一のパケット転送先を決定するユニキャストベースのものである。従来のFloodingによる手法に比べ、ネットワークの輻そうを回避しつつ、安定したパケット転送を実現できる。 また、プログラムを、無線通信を介して送り込むことによりその機能を動的に変更できるプログラマブルセンサノードを試作した。これまで考案したアルゴリズムおよび来年度の研究の実機検証プラットフォームとして使用する予定である。 上記に加え、昨年度から取り組んでいる位置が既知の複数の赤外線(IR)センサの反応パタンから、観測領域内にいる人の数と各人の移動軌跡を自動推定するアルゴリズムを改良し、従来法では困難であったリアルタイム推定を可能とした。本成果は、実機によるテストを行った後、本研究の最終適用先である災害現場監視用無線センサネットワークに組み込む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目標である「位置推定と経路制御の同時最適化」に向けて、各センサノードの位置が既知とした場合のマルチシンク対応のジオメトリックルーティング法を新たに考案した。しかしながら、位置推定法との同時最適化には至っていない。一方、実機実験を行う時の要となるプログラマブルセンサノードの試作は順調に進み、プログラムを外部から電波を介して送り込み、センサノードの機能を動的に変更できることを確認した。さらに、昨年度から進めているIRセンサを使用し、観測領域にいる人の人数と各人の移動軌跡を同時に推定する手法に改良を加え、リアルタイム推定を可能としたことは、当該手法の実用化に向けた大きな前進である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度試作したプログラマブルセンサノードの機能拡張を行うとともに、当該センサノードを用いて、これまでに考案したアルゴリズムの実機による動作検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、本年度試作したプログラマブルセンサノードの機能拡張を行うとともに、当該センサノードを用いて、これまでに考案したアルゴリズムの実機による動作検証を行う。計上した予算は、上記目的のために使用する予定である。
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Research Products
(5 results)