2011 Fiscal Year Research-status Report
モバイル機器とインフラ設置機器が協調動作する歩行者ナビゲーション環境の実現
Project/Area Number |
23500111
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長谷川 孝明 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (00189531)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 歩行者ナビゲーションシステム |
Research Abstract |
モバイル機器とインフラ設置機器が協調動作する歩行者ナビゲーション環境の実現に向けて、本年度は、その基礎検討として、HMIの観点でモバイル・インフラ協調型歩行者ナビゲーションシステムの設計、実装、評価を行った。具体的には、まず、協調型システムの基本アーキテクチャを設計していく上で必要なモバイル機器およびインフラ設置機器の特徴の整理を行った。次に、その整理した結果に鑑みて、モバイル機器とインフラ設置機器が協調動作することで歩行者ナビゲーションシステムの特にユーザビリティ向上が見込まれるHMI(目的情報の入力と案内情報の表示)に注目し、HMIの観点で協調型システムの設計を行った。さらに、Android搭載スマートフォン(モバイル機器)とタッチパネル搭載Windows PC(インフラ設置機器)への実装を行い、埼玉大学構内で評価を行った結果、従来手法(モバイル機器単独利用、インフラ設置機器単独利用、固定案内板)と比較して、有効性が高いものの、操作方法に関して改良の余地があることが明らかとなった。また、人のモビリティとそのためのナビゲーションシステム実現のための基礎的知見を電子情報通信学会および国際交通安全学会で論文、論説、学会発表をそれぞれ行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「9. 研究実績の概要」で述べたように、本研究課題を通じて、HMIの観点でモバイル・インフラ協調型歩行者ナビゲーションシステムの設計方法および実装方法が明らかとなった。また、構築した実験システムを用いた評価によって、協調型システムの有効性および改善点も明確化することができた。これらの研究成果は、本研究代表者が目指す「モバイル機器とインフラ設置機器が協調動作する歩行者ナビゲーション環境」を実現する上で欠くことのできない研究成果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
モバイル・インフラ協調型歩行者ナビゲーションシステムについて、次年度はHMI以外の観点からもアプローチし、協調型システムの基本および詳細アーキテクチャの確立と、それに基づく実験システムの構築および埼玉大学構内における評価実験を行う。また、構築したモバイル・インフラ協調型歩行者ナビゲーションシステムを、埼玉大学構内や中部国際空港などの実環境下で運用し、実証実験を実施することにより、システムを導入することで当該空間の歩行者のモビリティに与える影響や効果を検証し、社会普及に向けた知見の獲得を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は主に実証実験遂行に使用する予定である。具体的には、準備段階では、モバイル機器を用いた歩行者ナビゲーションシステムで利用するマーカ(視覚障害者誘導用ブロック、タイルカーペット、インターロッキングブロック)の購入および敷設費用、インフラ設置機器の制作費用、実証実験遂行に向けた研究打ち合わせのための旅費を予定している。また、実証実験実施期間中は、実験協力者および被験者への謝金、実験時に不足するモバイル機器(スマートフォン)のレンタル費用、アンケート用紙等の印刷費用としての使用を予定している。
|
Research Products
(5 results)