2012 Fiscal Year Research-status Report
微細構造及び光学特性を考慮した物理シミュレーション及び可視化に関する研究
Project/Area Number |
23500112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西田 友是 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (10131690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楽 詠コウ 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (30612923)
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Keywords | 詳細な構造 / 粒子 / 散乱 / 力学 / 流体 |
Research Abstract |
平成24年度は、詳細な構造を含む物体の写実的な表示法とダイナミクスの計算法の双方向から研究を進めた。以下順に説明する。 写実的な表示においては、雲などの微細な粒子から構成される媒質では、これら粒子による光の散乱や減衰等の効果を考慮することが重要であり、布などでは、織り糸の材質や織り目などを考慮することが重要である。さらに、見栄えよく表示するには(あるいは写実的に表示する場合でもその構造が際立つように)、光源やカメラ位置の設定をインタラクティブにコントロールできることが重要である。あるいは、特定の見え方になるような、材質が未知の物体の表示を制御するには、その材質をインタラクティブに設計できると都合がよい。これらの観点から、今年度は与えられた設定に従って物理則にしたがって計算するだけでなく、より写実的に見えるように制御できる方法の開発を行った。 一方、ダイナミクスの計算では、髪の毛のシミュレーションを中心に、空気中の水滴粒子や水中の気泡、さらに植物の葉の色の変化や形状変化のシミュレーションなどを対象に研究を行った。 植物の葉の変化では、植物中の水分や養分の流れを簡易なモデルで表現し、これらの量の変化に応じて葉の色や形状が変化する方法を開発した。 空気と水の相互作用としては、背景に空気の流れがある状況下での水滴の動きとして、自動車のウィンドシールド上での水滴の挙動を模擬する方法を開発した。また、背景に水の流れがある状況下での気泡の動きとして、炭酸水中の泡の動きを模擬する方法を開発した。 髪の毛のシミュレーション手法の開発では、まず、曲がったりねじれたりする糸のシミュレーション法の開発から始め、次にこれを一本一本の髪の毛の詳細な動きのシミュレーション手法へと発展させた。さらに、水と髪の毛がインタラクションするような複雑な挙動にも対応できる方法へと拡張した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年度に開発した手法をさらに発展させ, より写実的に見えるように表示法のモデルを詳細化し, さらに見え方の制御ができるように拡張した. またダイナミクスの対象範囲を拡張し, より広範囲な現象において, 詳細度を増強した計算が可能となった. こうした観点から, 当初の目的に沿って, 研究が進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の方向性として, 下記が考えられる. 一つ目は, 写実的な表示法の拡充である. 物体のより詳細な表現が実現していくにつれて, より効率のよい写実的表示法が必要となる. 二つ目は, 見え方を制御する方法を他の物体や現象に拡充していくことである. 三つ目は, ダイナミクスの計算法を拡充して表現できる現象を増やし, 応用範囲を広げることである. 今後はこれらの方向性に基づいて, 研究を推進していきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の経理使用に関して, 307,472円を次年度使用額として繰り越す. 途中で研究代表者が入院したことにより, 予定していた海外出張を一つキャンセルしたことが理由である. なお, 研究代表者の体調は退院後すぐに回復しており, 研究活動への支障は全くない. 平成24年度の研究費はおよそ90万円であり, 次の項目に使用する予定である. 今年度は最終年度のため, 学会参加や発表に重点を置く予定である. 海外出張旅費として, 60万円程度を計画している. 次に, 最新の計算環境を維持するために, PCの部品交換やソフトウェアの導入に20万円程度を予定している. 他には, 実験や資料作成のための人件費や, 論文投稿料などとして, 10万円程度を予定している.
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Research Products
(26 results)