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2012 Fiscal Year Research-status Report

脳機能計測と生体計測の情報統合による多視点裸眼3DTVのユーザ体感品質測定

Research Project

Project/Area Number 23500115
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

堀田 裕弘  富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (80209303)

Keywordsマルチメディア / 脳機能計測 / 生体情報 / 画質評価 / NIRS / 脳波
Research Abstract

2年目は,個人の嗜好の違いおよび印象の受け方の違いを個人特性と定義し,異なる内容の静止画像とその符号化によって生じる画質劣化に対する個人特性について,脳血流の変化から調べることを目的とし,NIRS を用いた計測実験により検証を行った.
予備実験では,人の好みや印象が強く左右されるようなコンテンツを10 種類選出した.本実験では,選出したコンテンツを用い,異なる内容の静止画像とそのJPEG 符号化劣化画像を視覚刺激として被検者に呈示し,注視時の前頭葉脳血流がどのように変化するのか,また,計測した脳血流の変化量について,心理値や従来のアンケート評価方法とどのような関係があるか調査した.計測データの解析は,脳機能の解析で信頼性の高い脳機能画像解析ソフトウェアNIRS SPM を用いて行った.得られたt 検定の結果を用いて,心理値(Pleasure,Arousal,Dominace)と品質の評価値の推定を行った.脳血流の変化量ΔHb は隣接するチャンネル同士で非常に相関が高いため,一部の計測チャンネル領域のみの変化だけで個人特性を表すことは適当ではないため,計測した全領域のΔHb の変化量に対して主成分分析を行った.主成分分析の結果の寄与率が高い第1 主成分~第4 主成分について賦活パターンを可視化したところ,第1 主成分と第2 主成分では主に右脳領域において賦活がみとめられたため,画質評価中は主に前頭前野の右脳領域が支配的に賦活していた.
5つの評価項目に対してステップワイズ法を用い推定式の構築を行ったところ,重相関係数Rが0.6 前後か,それよりも低い値を示していた.したがって,個人特性や品質に対する評価値は,脳血流の変化を利用することで推定できるといえ,従来のアンケートを用いる主観評価法とは異なり,言葉や評価尺度などを用いることなく画質評価が行えることを示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究課題「脳機能計測と生体計測の情報統合による多視点裸眼3DTVのユーザ体感品質測定」を遂行するために設定した研究目的のうち、脳機能計測(NIRS、脳波も可)により得られた各種計測データによる客観的画質評価の可能性と有用性を精査するために、各種計測データのデータ処理方法を検討することが、着実に行われている。符号化劣化を伴う静止画像と動画像についての実験もおこなっており、その成果は学会等でも公表している。また、数値や評価語による官能評価も同時に実施しており、被験者数を増やすことで有用性や汎用性への検討の準備を進めていることより、本年度以降の実験がスムーズに行えるような準備が行えている。

Strategy for Future Research Activity

24年度の実施計画と同様に、符号化劣化を伴った2眼式3DTVを3Dメガネの装着により視聴し、その時の脳機能計測(NIRS、脳波)と生体計測(表情筋筋電、サーモグラフィなど)を同時に行う。この時、ユーザ体感品質(Quality of Experience)測定をアンケート形式での官能評価で同時に行う必要があるが、我々の先行研究では「ユーザ体感品質=ユーザの満足度」と定義することの妥当性が検証されたので、この成果を利用して実験を進める。
次に、2眼式3DTV の脳機能計測と生体計測で得られたデータ処理に関して、静止画像を対象とした場合と同様な検討を行う。また、計測データは、2眼式3DTVを観察した時間分(例えば、10秒間程度)の計測データが存在するが、官能評価では1つの数値としてユーザ体感品質(Quality of Experience)値が得られる。よって、映像の特徴を生かした各時系列データからユーザ体感品質値へのマッピングを考える必要がある。そこで、官能評価で得られるユーザ体感品質値と、計測データをデータ処理し終えた解析データとの相関性を精査し、ユーザ体感品質値を推定するための一連のマッピング処理法を検討し、その精度を検証する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

脳機能計測を主に主なう主観評価実験を重点的に行うために、関連する消耗品購入に費用を充当する。また、主観評価実験の実験補助やデータの解析などに対する謝金にも費用を充当する。さらに、研究成果を内外へ早く情報公開するために旅費に費用を多く充当する。

  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Presentation (5 results)

  • [Presentation] 画像内容や画質劣化とΔoxy-Hb の関連性

    • Author(s)
      上田愛美,柴田啓司,稲積泰宏,堀田裕弘
    • Organizer
      電子情報通信学会イメージ・メディア・クオリティ研究会, IMQ2012-10
    • Place of Presentation
      名古屋大学
  • [Presentation] 表情筋の変化を用いた画質評価法の検討

    • Author(s)
      田村隆行, 柴田啓司, 稲積泰宏, 堀田裕弘
    • Organizer
      電子情報通信学会イメージ・メディア・クオリティ研究会, IMQ2012-11
    • Place of Presentation
      名古屋大学
  • [Presentation] 画質劣化が視覚誘発電位と事象関連電位に及ぼす影響

    • Author(s)
      砂原一輝,佐藤雅治,柴田啓司,稲積泰宏,堀田裕弘
    • Organizer
      電子情報通信学会イメージ・メディア・クオリティ研究会, IMQ2012-16
    • Place of Presentation
      京都工芸繊維大学
  • [Presentation] 8 視点レンチキュラレンズ方式を用いた3DCG 画像のある視点に符号化劣化が生じた場合の画質評価

    • Author(s)
      河畑則文, 柴田啓司, 稲積泰宏, 堀田裕弘
    • Organizer
      電子情報通信学会イメージ・メディア・クオリティ研究会, IMQ2012-17
    • Place of Presentation
      京都工芸繊維大学
  • [Presentation] 符号化動画像の主観的心理因子と生体情報との関連性

    • Author(s)
      堀田裕弘, 砂原一輝, 上田愛美, 田村隆行, 高本考一, 西条寿夫, 杉本 修
    • Organizer
      電子情報通信学会イメージ・メディア・クオリティ研究会, 2013-03-MVE-IE-WIT-IMQ-CQ
    • Place of Presentation
      福岡工業大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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