2013 Fiscal Year Annual Research Report
大規模医用画像データベースの学習と類似画像検索に基づく汎用臓器抽出手順の開発
Project/Area Number |
23500118
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
周 向栄 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00359738)
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Keywords | 体幹部CT画像 / 臓器の自動抽出 / 医用画像データベース / 機械学習 |
Research Abstract |
平成25年度の研究成果は主に以下の三つである。 (1)画像データベースの構築:本研究は岐阜大学附属病院の倫理委員会の承認のもとで、様々な臨床CT画像を収集してきた。現時点で約4000例の体幹部CT画像を収集し、大規模な画像データベースを構築した。(2)CT画像における様々な臓器を自動的に抽出する手順を集約し、その処理過程をモデル化した。そして、提案モデルに基づいて、対象臓器に依存しない汎用的な臓器抽出手順を開発した。(3)開発した手順の性能を検証するために、データベースの全症例から18種類の臓器と組織の自動抽出を行った。その結果、様々な臨床CT画像から頑丈かつ高速な臓器の自動抽出は提案法によって原理的に実現可能であることを確認した。 全研究期間(平成23年度-25年度)の研究成果は以下である。 (1)本研究の目的である「一つの汎用手順で異なる臓器領域を医用画像から自動的に抽出すること」を概ね達成した。(2)本研究が推進している「画像処理の手順設計を観察者の経験の依存から計算機の機械学習への変更」という考え方は正しく、医用画像からの臓器自動抽出問題の解決に有効であることを明らかにした。「十分な画像データと厳密な事前準備があれば、医療現場で単純な処理手順でも良い抽出結果を出せる」と結論を付けても良い。(3)本研究が計画した「数十秒で臓器の抽出を完成できるアルゴリズム」を実装し、その性能を検証した。実際に体幹部CT画像から1分以内で腎臓、脾臓などの主要な臓器の自動抽出が可能であることを示した。 本研究は計画通りに実施し、予想の成果を得た。予想外の問題点として、大規模な医用画像データベースの整備と拡張に莫大な時間と労力が必要であったことが挙げられる。また、CT以外の画像モダリティのデータ収集が遅れ、今後の課題として残っている。
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Research Products
(11 results)