2012 Fiscal Year Research-status Report
ソフトウェアライフサイクルを支援するコラボラティブDITAドキュメンテーション
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23500127
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Research Institution | Future University-Hakodate |
Principal Investigator |
奥野 拓 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (30360936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 恵 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (30303324)
大場 みち子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30588223)
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Keywords | ソフトウェアドキュメンテーション / XML / 再利用性 / トレーサビリティ / CMS / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
ソフトウェアライフサイクルの各フェーズにおける様々なドキュメントに基づく情報共有を効率化するためのドキュメンテーション方式の確立を目指し,技術文書の生成及び管理に関するオープンなXML仕様であるDITAに基づくドキュメンテーション環境の構築を進めた.DITAでは,ドキュメントの再利用の最小単位である「トピック」と,複数のトピックを構造化してドキュメントを構成する「マップ」によってドキュメントを執筆する.構築するドキュメンテーション環境は,DITAに基づくソフトウェアドキュメントのオーサリングと様々なステークホルダによる情報共有のためのプラットフォームとして機能する. 当該年度の前半は,開発者による設計書の作成・編集,管理者によるドキュメント全体の構造や執筆状況の管理,その他のステークホルダによるドキュメントの閲覧などを一つのプラットフォーム上で行えるようにすることを想定し,必要な機能の検討と,実装方法の検討を行った.必要な機能として,既存のDITAツールの分類に基づき,編集,管理,利用の各フェーズに対応した機能を定義するとともに,従来のDITAドキュメンテーションでは分離されていた執筆の進捗状況の確認,レビュー,承認の機能を新たに定義した. 当該年度の後半は, DITAドキュメンテーション環境のプロトタイプの設計および実装を行った.バックエンドに位置するドキュメントリポジトリとしてのCMSは,DITAに対応したオープンソースの汎用Web CMSであるDrupalを拡張して構築するものとした.プロトタイプの実装としては,各マップから参照されているトピックの一括閲覧のためのユーザインタフェースや,トピック同士の関連づけの設定を行うユーザインタフェースなど,トレーサビリティ管理に必要となる機能の開発を優先的に実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定ではH24年度中に実施するはずであったドキュメントワークフローの定義には至っていない.これは,H24年度に実施したDITAドキュメンテーション環境のプロトタイプの機能検討において,トピック同士の関連づけの設定機能に関してより深い検討が必要であることが明らかになり,ワークフロー定義以前に取り組むべき課題と判断し,実施したことによるものである.
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Strategy for Future Research Activity |
コラボラティブDITAドキュメンテーション環境の設計および実装を継続して実施する.特に,これまでに実装したトピック同士の関連づけの設定機能を拡張し,関連の種類を設定できるようにする.設定できる関連の種類は,「refine」「satisfy」など,システム工学のためのモデリング言語である SysML における要求図で用いられる要求間の関連ステレオタイプを参考に定義する. また,これまでに実施したドキュメントの構造化の成果に基づき,DITAトピックの特殊化を行い,各ドキュメント構造をトピックの集約であるマップとして定義するとともに,各ステークホルダによるドキュメントの作成・レビュー・承認・保守を円滑に行うためのワークフローを定義し,ツールによりサポートする. さらに,仕様を見落としなく設計・実装に反映するために,関連するドキュメントを様々な条件により集約して一覧できるような多視点ビューを導入し,構築したドキュメンテーション環境が,ソフトウェア品質の向上に与える影響について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,研究費を以下のように使用する予定である.コラボラティブDITAドキュメンテーション環境の評価のための,ノート/タブレット/携帯端末および関連するネットワーク機器・ソフトウェアの購入費用と通信費.情報収集および成果発表のための旅費・学会参加費.技術図書購入費.
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