2013 Fiscal Year Annual Research Report
データマイニングを用いた材料設計シミュレーション基盤システム
Project/Area Number |
23500138
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 亮子 金沢工業大学, 工学部, 講師 (30303332)
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Keywords | 分子 / シミュレーション / データマイニング / 材料設計 |
Research Abstract |
近年ではGPGPUやマルチコア計算機,グリッド/クラウドコンピューティング環境が容易に利用できるようになってきている.これらは小規模~中規模の計算資源とみることができ,大量かつ安価である.また,計算化学や計算物理のプログラムも成熟してきており,それらを利用して誰でも容易に大量の材料設計計算を行うことができる.一方,計算結果の実体は大量の数値データであり,多数の計算結果を有効利用するためにはデータの自動処理が必要である.しかし,材料設計関連分野におけるデータの自動処理技術は,まだ開発の余地がある. 一般的なデータ処理技術に目を向けると,近年ではいわゆるデータマイニング技術が成熟してきており,主要な手法が誰でも容易に利用できる環境が整ってきている.そこで本課題は,計算結果の自動データ処理に基づく材料設計を目標として,研究開発を行った.平成25年度は基礎的な性能評価を行って取り扱い可能な系サイズを検討し,さらにデータマイニング技術を用いて結果データ中の分子構造の分類を試みた. まず,Gaussian09の標準的な計算方法と基底関数の組み合わせにおける実行時間を調べた.その結果,電子相関を考慮した基礎的な計算では,炭素原子10個程度までならデスクトップPCでも扱えることがわかった.さらに,決定木を用いて計算結果得られる分子構造の自動分類を試みた.その結果,おおむね妥当と考えられる分岐規則を自動的に得ることができた. 今後の課題は計算結果の自動分類をさらに検討していくことである.より複雑な分子では,異性体も複雑かつ多種類になるため,そのような分子でも適切に分類できる手法を検討する.また,現段階ではシステムを部分的に実装しており,システム全体として機能するに至っていないので,一通り実装を終えることも今後の課題である.
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Research Products
(7 results)