2011 Fiscal Year Research-status Report
同期化メディアストリームコンテンツにおける高度情報統合・検索手法に関する研究
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23500142
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
PRADHAN Sujeet R 倉敷芸術科学大学, 産業科学技術学部, 教授 (90320001)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報システム / 同期化メディア / マルチストリーム / 2次元データモデル |
Research Abstract |
現在,e-Learningや通信教育のような応用において学習教材として利用される講義ビデオ,講義資料,電子教科書等の教育的コンテンツは,ネットワークを介して配信することが可能となっている。これらの教育素材の内容は,密接な相互関連を持っており,各素材を単にそのままの形態で発信するのではなく,互いに有機的に統合することにより,きめが細かく教育効果の高い情報を提供することができ,高い効果が望める。このような同期化メディアストリームによる情報量は,爆発的に増大していることが明らかであり,今後,それらの情報から所望の部分を容易に検索できる検索手法が必要になってくる。当研究者は、同期化メディアストリームにおける多種多様性を持つ大量の情報を組織化,次に,関連する情報の統合化を行い,無用な情報重複や不整合が生じるのを防げる2次元データモデルを提案した。このモデルの特徴は,同期化メディアストリームにおける多数のメディア間の相対関連情報,また各メディアにおける時系列情報が2次元空間上で簡単に表現できるという点である。このデータモデルの問題点としては、複数のメディアを2次元空間上の表現したときに,メディアをどの順序で表すかによって,問い合わせ結果が変わってくる可能性がある。そこで,それぞれメディアの内容自体を分析し,メディア間における相対関係を洗い出し,その結果による最も効果的な順序を自動的に生成されるアルゴリズムが望ましい。しかし、メディアの内容分析のみにより導いたメディア間の順序が、実験結果によると、それほど効果的ではなかったことが明らかになった。そのため、メディア間の順序を決定法を今後考えていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度の目的が、同期化メディアストリームにおける情報を表すためのデータモデルの開発であった。これに従って、当研究者は、2次元データモデルによる新たなデータモデルを提案できた。そのため、当初の目的は十分達成できた。しかし、メディア間の順序を自動生成が可能とするアルゴリズムが開発できなかったため、今後の予定としては、複数のメディアの中から基盤となるメディアを一つ手動で選択し、そのメディアの内容による順序を決めていく方法を考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、まず、開発予定の検索モデルの有効性を評価するのに大量の同期化メディアストリームコンテンツを構築していく予定である。このために必要な主要設備としてはコンテンツ蓄積サーバである。このコンテンツ蓄積サーバは,超大量の同期化メディアストリームコンテンツを処理する必要があり,主記憶,補助記憶ともに十分な性能を有するものが必要である。このため,高速CPU,主記憶12 ギガ,ハードディスク約2テラバイトのサーバ一台を平成23年度の予算で購入済みである。平成23年度に開発された2次元データモデルを基にして,下記の通り研究を実施する予定である。従来から提案を行ってきた2 次元データタモデルによる構築される同期化メディアストリームに対してキーワード検索手法を用いた場合に,起こり得る問題点を明らかにし,その問題が起きたときに対応できる新たな検索結果モデルを提案する。次に,この検索モデルに必要とする理論,特に,代数的な演算やそれらの演算における性質を検討する。上記に述べたデータモデルや検索モデルを用いた試作システムの開発を行い,本手法の有効性に関する検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当研究者が提案すうrデータモデルや検索モデルを用いた試作システムを開発するために必要な開発ソフト・応用ソフトなどは,請求している経費より購入する予定である。試作システムの開発に必要とされる実験用データを準備するために,コンテンツデータベースを構築していく予定である。実験用データとしては,倉敷芸術科学大学で行われる24年度後期のデータベース関連の講義を対象とし,講義ビデオを撮影する予定している。同期化メディアストリームコンテンツを処理するためには,1台のコンテンツ蓄積サーバが必要であり,その設備備品の購入にかかる経費については、本研究費の使用を考えている。また、本研究課題と関連する研究調査を行うために、学会への参加や他大学の研究者と打ち合わせをする必要がある。これに伴う出張費などについては、本研究で要求している旅費を使用する予定である。
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