2013 Fiscal Year Annual Research Report
没入ドライビングシミュレータによる高齢ドライバ向け運転行動観察システムの研究
Project/Area Number |
23500154
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
立山 義祐 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 助教(研究奨励)(非常勤) (30543558)
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Keywords | バーチャルリアリティ / 自動車運転行動分析システム / 没入ディスプレイ構成法 |
Research Abstract |
最終年度は、今まで改良してきた没入ディスプレイシステム、没入ドライビングシミュレータシステムの仕上げ、及び検証を行い、基礎的な性能を確認した。 2012年度まで、VR酔いの軽減策について検討してきたが、良い結果が得られず、CAVEが設置された部屋の照明をなるべく明るくして、プロジェクタの明るさを調整し、プログラム上でも照明をなるべく押さえることによって、コントラスト比を抑えることとした。 映像のコントラスト比を抑えることによって、VR酔いが発生する割合は減るものと経験的に考えられる。 その上で、最終年度である本年は2種類の実験を実施した。一つ目の実験では、没入ディスプレイの性能に関して、スクリーン間同期性能が人間の没入世界知覚に与える影響を調べた。具体的には、被験者に対し没入世界で目標発見タスクを課し、そのスコアをもって没入知覚の程度とした。その際、いくつかのスクリーンで、ソフトウェア的に画面更新回数を減らす事によって、同期失敗現象を模擬した。その結果、スクリーン間同期がとれていなかったり、画面更新速度が低下していると、タスクのスコアが落ちる事が確認できた。これはすなわち、没入知覚が崩れていると言うことができる。 2つ目の実験では、高齢者の運転行動観察実験を没入ドライビングシミュレータで実施した。没入世界で実際の街モデルをコースとし、さらに対向車に見立てた動くオブジェクトを導入することにより、緊張感のある運転行動計測システムとした。高齢ドライバ7名及び一般ドライバ8名に対して、運転行動計測実験を行った。その結果、交差点で安全を確認すべき所、一般ドライバが92%以上の割合で確認行動をとっていたのに対し、高齢ドライバは56%程度であった。t検定の結果、その差は有意であった。よって没入環境では高齢ドライバは運転時、安全確認を怠る傾向がある事を確認した。
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Research Products
(1 results)