2013 Fiscal Year Annual Research Report
人間の色知覚特性の厳密な数理モデリングに基づく色弱補正と色彩情報処理への応用
Project/Area Number |
23500156
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
趙 晋輝 中央大学, 理工学部, 教授 (60227345)
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Keywords | 色弱補正 / 色彩科学 / ユニバーサルデザイン / ヒューマンインターフェース |
Research Abstract |
本年度は、前年度に続き、人間の色視覚特性の数理モデリングと色弱補正について、理論と実装の両方で研究を推進した。具体的には、色空間をリーマン空間として捉えるときは、局所的な特徴付けと大域的な特徴付けが考えられるが、前者は、色空間同士の局所アフィン写像を用いる手法で、後者は大域測地線網による手法である。 前者については、今まで色弁別閾値データから局所色差保存写像を推定した際、その推定方程式はランク不足で悪条件であるため、局所写像は一意に定まらず、また、人間の見る色が客観的に観測することができないため両色空間の局所座標系における原点の対応が難しかった。そこで、局所写像の形を限定する推定法と、従来の非線形方程式法に加えて、特異値分解法を提案し、局所写像を一意に推定することができた。さらに、両色空間における近傍拡張法を提案し、帰納的に各対応近傍と原点対を定め、健常者と色弱者の色空間の間の色弱写像と補正写像を求めることができた。 後者の方法においては、リーマン正規座標系を構成する際、健常者と色弱者の測地線同士の対応問題が残されていたが、本年度では、不変色相情報を利用する方式を考案し、健常者と色弱者の色空間におけるリーマン正規座標系の間に厳密な対応関係が得られた。さらに、今まで色度平面において主に測定した閾値データを3次元色空間へ拡張して、明度まで含むデータベースを完成した。それによって、3Dにおけるリーマン正規座標系を構築し、色弱写像と補正写像を求めた。 最終年度に当たって、提案方式の主観評価に関する研究を行った。また、本研究では、客観的な色弱度の評価に基づく手法を用いたが、主観的な色弱度の評価についても検討をし始めた。さらに、色弁別閾値データの暗号化そして生体認証における応用についても検討を行った。
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Research Products
(2 results)