2013 Fiscal Year Annual Research Report
感性マルチメディアディスプレイの試作と感性評価に関する研究
Project/Area Number |
23500157
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 東海大学, 情報通信学部, 教授 (90328104)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 表示装置 / 感性情報 / 香り / 映像 / マルチモーダル / 評価 |
Research Abstract |
香り付き映像は、臨場感が期待でき映像内容の理解に有効と思われる。最近、スーパー、商店街などで広告にも利用され始めた。しかし、従来のディスプレイは、映像表示装置と香り発生装置が分離されているため、映像と香りとの一体感に欠ける等の問題がある。そこで、本研究課題では、映像と香りが一体的に提示できる感性マルチメディアディスプレイ(KMMD)を試作し、香り付き映像を提示し、心理的効果をアンケート、及び、生体反応計測により明らかにする。サブ課題として、(1)穴空きスクリーンとプロジェクタを用いたKMMD構成法、(2)香り提示法、(3)コンテンツ制作と臨場感評価法を設定した。1、2年度は(1) (2)の課題に、最終年度は、(3)の課題に重点をおいた。具体的成果を以下に示す。 (1) KMMD構成法:スクリーンサイズは、横1800×縦1200mmで、パネル裏側に気流発生機構を設け、スクリーンを介して観察者側に香りが放出できるようにした。スクリーンに穴を設けることにより画質への影響が懸念されるが、画面を大きくすれば画質劣化を少なくできる知見を得た。 (2) 香り提示法:気流発生装置として空気砲、及び、送風機を用いて香りを利用者まで搬送する実験を行った。その結果、画面から数m離れた被験者に香りを知覚させることができた。また、風触覚を提示すると、反射的な吸気動作が起き易いことを明らかにし、当該吸気動作モデルに基づく香り提示実験を行い、高い香り知覚率を得た。 (3) コンテンツ制作と臨場感評価法:花畑に風が吹く映像、調理映像などを用い、香り有無しによる臨場感の違い、視線動作の特徴、脳血流変化などを調べた。その結果、映像に合致する香りを提示すると臨場感が高まり、当該映像の注視回数、注視時間が増加し、散瞳も起きやすいこと、脳血流に特徴的な変化が見られることを明らかにした。一方、不一致の香りではコンテンツ価値を低下させる可能性を指摘した。
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Research Products
(10 results)