2011 Fiscal Year Research-status Report
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23500160
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
飯塚 重善 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (40551073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷 健太郎 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (50282009)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 情報環境デザイン |
Research Abstract |
大学内に設置された大型公共ディスプレイに対する通行人の行動観察をおこない、"通行人がディスプレイからどのくらい距離をおいてディスプレイの前を通ったのかを測定する"、"通行中にディスプレイを見たかどうか"等観点で結果について分析し、表示された情報に応じた通行人の行動パターンの一つとして、ディスプレイを見た人は、ディスプレイからどれくらい離れた位置を通るか、といった、特定の傾向を把握することができた。また、公共の大画面ディスプレイで扱う情報のレベルには今回用いた情報以外にもさまざまなレベルがあると考えられるが、その扱う情報については,比較的低いプライバシーレベルの情報を対象とするのが現実的であるとの結論に至った。そして、情報のディスプレイへの表示方法について、数種類のアイデアを出し、その実現性について議論を重ねた。その中で、ディスプレイへの情報提示手法として,大型公共ディスプレイでプライベート情報を扱うために,利用するユーザの身体によってできる隠蔽領域に情報を表示する方法を見いだし、その有効性について議論している。この方法は、大型公共ディスプレイを利用するユーザが安心して情報を扱うことができるよう,周囲の人間の位置によって、ユーザ自身の身体によって陰になる部分,すなわち周囲の人間から死角になる領域にプライベート情報を表示する方法(表示する位置や表示領域の大きさ、等)をダイナミックに変える、というものである。これらの調査の分析結果や検討状況についてまとめ、学会発表をはじめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期データとしての、実環境(大学内に設置された大型公共ディスプレイに対する通行人のでの行動観察(2カ所)をすませ、その結果をふまえ、設計システムの構想段階に入っている。その構想としてまず、ソフトウェアで実現されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のデザインとして、公共空間に設置する大画面端末の表示インタフェースに関する複数のアイデアを掲げ、その中から1パターンを抽出し、プロトタイプの設計フェーズに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、比較的低いプライバシーレベルの情報を対象としたプロトタイプの具現化を進める。具体的には、ペーパープロトタイピング等の手法を用いたラピッドプロトタイピングをおこなうことで、より早い段階で画面・操作イメージを具現化し、それに対して、シナリオを用いたユーザビリティの評価をおこなっていく。そして、さらに検討を進めていき,プライベートレベルに応じた情報提示方法の検討へと発展させていく。また、公共空間では、さまざまな行動パターン、公共端末の利用パターンが想定されることから、引き続き、公共空間での行動観察をおこなっていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
さまざまな状況が予想される公共空間での情報環境デザインに向けた実データの充実化を図るため、環境のバリエーションを増やした行動観察をさらにおこなうため、これに用いる。また、他研究者からの意見等を広く求め、研究の質、精度をさらに向上させるため、昨年度の成果を積極的に外部で発表する費用として、国内外の渡航に活用する。
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Research Products
(1 results)