2013 Fiscal Year Annual Research Report
楽譜情報に基づく記号論的音楽情報検索のための基盤技術開発
Project/Area Number |
23500165
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大久保 好章 北海道大学, 情報科学研究科, 助教 (40271639)
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Keywords | k-plex / クリーク / アルゴリズム |
Research Abstract |
本課題では,クラスタ抽出の枠組みを基礎とする記号論的音楽情報検索のための基盤技術開発を試みる.今年度はクリークの緩和モデル k-plex を抽出対象とするふたつのアルゴリズム開発を行なった. 真極大 k-plex の高速抽出:従来の k-plex 抽出法は,緩和の度合いを制御するパラメータ k が大きくなると,解を得ることが事実上不可能となる.その主要因は,緩和モデルとして不適当な膨大な k-plex の存在にある.ここでは真 k-plex の概念を新たに導入し,抽出対象をサイズ下限制約を満たす真 k-plex に限定することで,連結性と 50% の密度を保証する妥当な k-plex のみを高速に抽出する.探索過程では,頂点間の上限距離に基づく分枝の抑制,および,真 k-plex 性に基づく枝刈りが可能であり,結果として既存手法では解を得ることができなかった k に対しても高速に動作する. 真極大 k-plex の繰返し探索による最大 k-plex の高速抽出:真極大 k-plex 抽出法をもとに,最大 k-plex 抽出問題においても,より大きな k に対応できる手法を開発した.具体的には,緩和パラメータ k を段階的に強化しながら真極大 k-plex 探索を繰返すことで,最大 k-plex を高速に抽出するアルゴリズムを与えた.繰返しの各段階においては,既に得られている暫定最大 k-plex のサイズを用いた探索の分枝限定が可能であるが,初期の段階で大きなサイズの k-plex が見つかる傾向にあることから,繰返しが進むにつれて分枝限定効果はより強力となる.ベンチマークグラフによる実験では,既存の最速アルゴリズムと比較して 100 倍から 1000倍の高速化を観察した.
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Research Products
(8 results)