2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500172
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 澄夫 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (80273118)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 代数幾何 / 構造学習理論 / 周辺尤度 / 汎化誤差 / 情報量規準 |
Outline of Annual Research Achievements |
統計学および機械学習において広く用いられている学習モデル、例えば、神経回路網、混合正規分布、ボルツマンマシン、ベイズネットワーク、隠れマルコフモデルなどは、パラメータと確率分布の対応が一対一ではなくフィッシャー情報行列が零固有値を持つため、従来の統計的手法を用いてその挙動を解析することはできなかった。研究提案者は、この問題に対して代数幾何学を応用して学習モデルが真の分布が実現できてもできなくても尤度関数が正規分布で近似できてもできなくても成り立つ一般的な学習理論を構築し、ベイズ法による汎化誤差を推定できる新しい情報量規準WAICの導出を行ってきた。本研究課題においては、ベイズ自由エネルギーを高速に算出することができる新しい手法であるWBICを理論的に導出した。平成26年度においては、以上のように導出してきた新しい方法をLASSO回帰に適用してその有効性を明らかにした。また国際会議2回の招待講演、国内研究会1回の招待講演で新しい手法を紹介し、研究成果の普及に努めた。こうした努力の結果、米国のベイズ統計の教科書、A.Gelman他、Bayesian Data Analysis, Chapman & Hall/CRC, 2013 で紹介され、また環境学への応用統計学の教科書 Korner-Nievergelt, Bayesian Data Analysis in Ecology using linear models with R, BUGS, and Stan, Academic Press, 2015 にも掲載されるなど、統計学の実践の場面への応用が開始されている。本研究課題で創造された方法は海外ではすでに標準的方法として広く使われているので、今後は日本の研究者も理解できるように啓蒙活動を行いたい。
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