2011 Fiscal Year Research-status Report
選択的注意を組み込んだ増強型確率的学習に基づく人と物体のインタラクションの理解
Project/Area Number |
23500188
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
渥美 雅保 創価大学, 工学部, 准教授 (00192980)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 人工知能 / 機械学習 / パターン認識 / カテゴリゼーション / コンピュータビジョン / 知能ロボティクス |
Research Abstract |
本研究では,日常の情景の中での物体への働きかけ動作を理解可能なロボットビジョンシステムを実現するために,選択的注意のもとでのアクティブな学習と認識の手法を確率潜在変数モデルに基づいて構築している.本年度は,注意が向けられた前景物体とその後景物体からなるコンテキスト,及び前景物体に対するカテゴリラベルが与えられて,ラベル付き物体カテゴリ分類木とコンテキスト毎の物体の共起関係を半教師付きでインクリメンタルに学習する「コンテキストを伴う確率潜在コンポーネント木手法(Contextual Probabilistic Latent Component Tree)」,及びそれら分類木と共起関係を用いた物体,及び情景の認識手法を構築した.本学習手法は,情景カテゴリ毎の物体クラス集合を求める潜在クラス数可変の確率潜在コンポーネント解析,全物体クラス集合の分類木となる確率潜在コンポーネント木の生成,確率潜在コンポーネント木の葉に割り当てられた物体クラスのカテゴリをインクリメンタルに更新する半教師付き学習,及び情景カテゴリ毎の物体カテゴリの共起関係を一種の自己相互情報量に基づき求める共起関係解析から構成される.本認識手法では,情景内の複数の物体の物体カテゴリに対する類似度と物体カテゴリ間の共起度とが認識のために統合的に用いられる.物体認識の効率化と精度向上のために,確率潜在コンポーネント木に基づく物体カテゴリ学習に,ブースティングに基づく特徴選択を組み入れた.そして,画像データベースを用いた実験により本提案手法の学習及び認識性能の評価を行い,最先端の手法と競合する認識性能を達成することを示した.また,本提案手法を本研究で導入したヒューマノイド型ロボットに実装するための設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は,研究実施計画で本年度に計画していた物体カテゴリの確率潜在変数モデルに基づく学習と認識手法に加えて,平成24年度以降に計画していたカテゴリの共起の学習と認識への組み込み,及びカテゴリの組み合わせに基づく情景の学習と認識の手法を構築することができ,この点において当初の計画をさらに進展させることができた.本年度から平成24年度にかけて実行する計画である動作カテゴリの学習と認識に関しては,そのための手法を構築中の段階で,この点においては若干進捗が遅れているが取り戻しつつある.以上の達成状況を合わせて評価して,計画はほぼ順調に進展していると評定する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は基本的に交付申請時の研究実施計画に従って推進する.即ち,平成24年度は,物体への働きかけ動作カテゴリの学習と認識の手法を確率潜在変数モデルに基づいて構築する.平成25年度は,物体への働きかけ動作に関する概念依存辞書を物体カテゴリと動作カテゴリの共起から学習し,概念依存辞書を介して人とロボットがインタラクションするための手法を構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度に使用する研究費が生じた状況…交付申請直接経費額2,500,000円に対して,次年度に使用する研究費として212,965円を繰り越した.これは,交付申請時の見積りをもとにロボット購入及びそのメンテナンス費に2,124,150円を予算計上していたものが,ロボットの新版の登場に伴う低価格化,及び円高の影響で,購入費がメンテナンス費込みで1,771,350円となったためである.・翌年度以降の研究費と合わせた使用計画…翌年度以降の研究費の使用を含む研究計画に関して基本的に変更はない.原油高に伴う航空運賃の値上げも懸念されるなか国際会議での研究発表の経費の不足が見込まれるので,繰り越し分は主に旅費に割り当てる計画である.
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